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オルタナティブファーム宮古

自然の恵みいっぱいの宮古島から農業や商品開発するなかで感じたこと気づいたこと

オルタナティブ
ファーム宮古 代表

松本 克也 (まつもと かつや)

自動車メーカーなど14 年の研究職を離れ、2012 年5月に家族4人で宮古島に移住。約1万平米の畑で主に有機サトウキビを栽培し、黒糖蜜やキビ砂糖などの加工品を製造。
畑で黒糖作りが体験できるプログラムも準備中。その他、有機バナナの栽培、未完熟マンゴーの発酵飲料の製造に携わる。

【Vol.82】2年を振り返って

投稿日:

宮古島プロジェクトリーダーとしてプレマに入社して、早2年が経ちました。原稿締め切りが丁度、有機JAS生産者組合の第三者機関による検査日に一致したため、作業日誌など帳票類の確認作業と共に、計らずしてこれまでの歩みを振り返る機会を得ました。
 2012年5月の入社1週間後に宮古島に赴任し、当時のこちらの状況を俯瞰して、自らが農産・加工事業主体となることを方向付けることになりました。早速準備を進め、8月に農業生産法人 株式会社 オルタナティブファーム宮古を設立し、(社員=社長の1農家ですが)入社後3ヶ月の新入社員がいきなり会社社長になりました(笑)。当時、農業経験はなかったので、内地の自然栽培農家さんに研修を受け入れて頂いて学びを得て、現地の先輩方にしがみついて教えを請い、また、農業改良普及所が開催する勉強会に参加するなど教書も頼りながら、実践準備を徐々に整えていきました。入社6ヶ月後の11月には、ドキドキ・ワクワク楽しみに思う期待感とおっかなびっくりの不安な気持ちが入り混じりながら、サトウキビ栽培を始めました。当時、借地圃場として賃貸借契約でスタートした圃場は、昨年11月には地主さんから譲り受け自社農場に生まれ変わりました。そして、そのサトウキビは、勿論農薬や化学肥料を使わずに育てられ、一気にタイムスリップして1年半後の今年4月には収穫期を迎え、こくとうみつとして製品に仕上げられた歓びは先月号でご紹介した通りです。
 言葉や時間の流れなど、やはり内地とは大きく異なる文化圏の宮古島に来て、経験する多くは新しいことの連続でした。まるでジェットコースターのように色んな出来事が急展開で起こり/整理されていく中、プレマ宮古島プロジェクトのヴィジョンを常に中心軸に据えて、都度、状況変化に適応し/積み重ねてきた結果が今に繋がってきているかと思います。
 宮古島の先輩農家さんから頂いた助言・進言の中で、印象深く記憶に留め、今も大切にしている言葉が幾つかあります。

●『種を播きなさい』=実践を通して現場・現物・現実から学びなさい。

 教書を元にした机上検討(取らぬ狸の皮算用の栽培計画)なども事業運営として大切だけれど、机の前で考えてばかりで動けずにいるよりも、(どうせ実際にやってみるまで何が起こるかわからないのだから)まずは種を播いて、自然からこそ学びを得なさい。種を播かなければ/動いてみなければ、何も始まらない/生まれない。

●『失敗しなさい』=自らの失敗経験から学びなさい。

初めから失敗を確信して栽培する人はいないけれども、痛みを伴う失敗経験は実践学習の中でも特に効く。昨秋、病気に苦しんでいるバナナを見て「畑中のバナナに病気が蔓延するから、すべて倒した方が良い」と言われました。先輩農家さんお二人からの進言でしたが、160本のバナナの移植作業から灌水管理まで、ウーファさんたちの手伝いも頂いて進めてきた一連の作業履歴を思い返すとその場ですぐに判断できる状態になく、苦虫を噛みつぶしたような顔をしていたのだと思います。そうすると、「自らの手で倒すこともできないだろう……。だったら失敗しなさい」と言われ、その意味を噛みしめていました。幸いにもバナナたちは病気を克服して、結果的に今年実りをつけ始めていますが、あの時頂いた言葉は意味深長です。

●『慌てるな/焦るな』=農業は気長に、気持ちに余裕を持って向き合いなさい。

今年うまくいったからと言って、来年の豊作が約束されるものでもないし、その逆も然り。自然相手の商売で常に勉強。すぐに結果を求めず、ちょっとしたことに一喜一憂することなく、最低10年スパンで考えなさいと言われます。台風で一夜にしてすべてを持って行かれる経験を何度も乗り越えてきている先輩方の言葉はズシリと重いです。
 畑で育つ作物だけでなく、土や畑も生き物です。畑を手入れしていると、土の状態(水持ち・水はけ・栄養など)が遷移/変化していることが、土の色・匂い・触感や雑草の種類/具合などからわかります。いつも畑と共に成長・進化するイメージを持っていて、気持ちの良い畑に作り込んでいきたいと思っています。これからもアップダウンあると思いますが、カメの歩みでも、日々進化を続けます。*因みに時々海で遭遇しますが、海中見かけるカメは悠然と威厳ある姿で、陸上のカメさんとはイメージが違います。

 バナナは準備が整い次第、お裾分け(販売開始)いたします。

松本克也
プレマ宮古島プロジェクトリーダー(兼農業生産法人(株)オルタナティブファーム宮古代表取締役)
2012年4月まで自動車会社に勤務。車体製造の接合技術開発に心血を注ぎ、エンジニア一筋の人生を送る。2011年12月にもともとプレマファンだった姉から「プレマ・宮古島プロジェクトの発足とスタッフ募集」のメルマガ情報を聞いて『これだ!』と直感し、転職を決意。そこからはとんとん拍子に事が進み、家族で宮古島に移住。今ではすっかり都人(実は京都出身)ならぬ宮古人になりました。
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プレマ株式会社の『宮古島プロジェクト 宮古島の自然農法を推進し、島の健全な地下水と珊瑚礁を守り、お客様に安心と安全を届けます。

- オルタナティブファーム宮古 - 2014年7月発刊 Vol.82

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