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オルタナティブファーム宮古

自然の恵みいっぱいの宮古島から農業や商品開発するなかで感じたこと気づいたこと

オルタナティブ
ファーム宮古 代表

松本 克也 (まつもと かつや)

自動車メーカーなど14 年の研究職を離れ、2012 年5月に家族4人で宮古島に移住。約1万平米の畑で主に有機サトウキビを栽培し、黒糖蜜やキビ砂糖などの加工品を製造。
畑で黒糖作りが体験できるプログラムも準備中。その他、有機バナナの栽培、未完熟マンゴーの発酵飲料の製造に携わる。

種子が蓄えるエネルギー

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前号では「甘い」植物に着眼して、サトウキビや甜菜は越冬や再成長に必要なエネルギーとして糖を長期貯蔵すること、スイカは甘い果実を動物に食べさせて種子を拡散させるために糖を短期貯蔵することを紹介しました。実は、植物がエネルギーを貯蔵する形態には、糖以外にも油脂やデンプンなどがあります。エネルギー貯蔵の目的に応じて、貯蔵の形態や期間、防衛方法が異なりますが、今号では発芽のために種子に貯蔵するエネルギーについて代表的な事例と共にご紹介します。

種子は光合成によるエネルギー生産ができないため、発芽は種子内部に貯蔵した自前のエネルギーに頼るしかありません。そのために種子は油脂やデンプンを貯蔵し、生育に適した外部環境が整うまで辛抱強く仮死状態を続けます。早ければ数日、長い場合には年単位の長期間に渡って仮死状態を続け、水・温度・酸素などの条件が整った段階で生命活動を再起動して発芽します。

油脂を蓄える植物には、食用油の原料となるゴマ・菜種・大豆・ヒマワリのほか、アーモンド・クルミなどがあります。油脂は単位重量当たりのエネルギー密度が高い(デンプンの2倍程度)ので、ゴマやスイカのように小さい種でも効率よくエネルギーを貯蔵できます。また乾燥状態にも耐え、高温での酸化には脆弱ですが、年単位の長期間の保存が可能です。

デンプンを蓄える植物には、ハスやサクラ、エンドウ豆・インゲン豆などの多くのマメ科植物があります。遺跡調査で見つかったハスの種子はなんと2000年以上の時を超えて発芽しています! 外側を硬い殻で守り、内部を完全に乾燥・密封された状態に保つことで、超長期間の保存を可能にしています。ヒトに当てはめてみると2000年前に凍結保存した受精卵から胎児が誕生するようなイメージで、とんでもない浦島太郎さんですが、地球史のスケールで眺めてみると、まさに見事な再生ですね。因みに糖は吸湿性が高く保存性に劣るため、発芽のためのエネルギーとして種子に蓄えられることはありません。

古代ハス

 

- オルタナティブファーム宮古 - 2025年10月発刊 vol.217

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