2年前に大学の部活動・英語研究部の同窓会に参加しました。先輩・後輩を含めた前後3期の約70名の仲間が集まりましたが、その半数以上とは約30年ぶりの再会でした。
そのときに驚いたのは、それぞれのキャラクターや雰囲気は当時の記憶と比べて大きく変わっていない、というより、むしろ当時のままだと感じられたことでした。面倒見が良い兄貴分肌だった先輩、厳しい意見をさらりとクールに言い放つ同輩、さりげなく穏やかに周りを気遣う後輩など、もちろんそれぞれに良いおじさん、おばさんになってはいるものの、身にまとっていたキャラクターや雰囲気は学生時代そのままに健在でした。これは私一人の主観ではなく、他の仲間も同じように感じていたようです。
人格形成に影響を及ぼす人生の経験値について考えてみると、大学卒業時の20代前半まで両親や社会に守られた環境で築いてきた経験値と、それ以降で積む経験値とでは雲泥の差があると思います。大学卒業以降、就職して社会の辛酸をなめ、結婚や子育てなどのマイルストーンを経て積み上げてきた経験値は、人格形成に及ぼす影響が当然大きいと考えていました。そのため、「あの人、こんなキャラだったっけ?」のような仲間がいても、まったくおかしくないと思っていたのです。しかし、実際には、良い意味で私の予想は裏切られました。30年のブランクはあっという間に解消されるほど、だれもが当時のままのキャラクターで、学生時代の記憶がフラッシュバックし、旧交を深めることができました。
思わず『三つ子の魂百まで』ということわざを思い起こす出来事でした。「人は環境や経験によって変わるもの」と思っていましたが、変わらないものこそが人の本質なのかもしれません。そして、感受性や吸収力が高い若い時期に、多大なエネルギーを注ぎ、時間を共有した貴重な仲間の存在に、改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。
30年ぶりの再会に話が尽きない同窓会でした