「おっと、このケーキ店もか」
11月末ともなると、街は早くもクリスマスムード一色。今日は新たにケーキ店がイルミネーションと大きなツリーで飾られ、外観がゴージャスに変身しているのを発見。地元内外から訪れる人で行列ができる店だけあって、さすが、手が込んでいる。
今年はまだ見に行っていないが、京都駅の大階段に毎年お目見えする超巨大ツリーも、京都の街に一層クリスマス感をもたらしていることだろう。この時季の私のおすすめは、京都駅正面に建つ京都タワー。昭和39年(1964年)の12月に、9階建てのビルの屋上に誕生したタワーだ。
一年を通じてライトアップされているので、これといって特別なことはないのだが、駅中央口を少し出たところから見上げる京都タワーは、ため息が出るほど美しい。イルミネーションで飾られた駅前の木々が、意図してか意図せずしてか、冬空にうかぶ京都タワーを、なんともうまい具合に引き立てているのだ。
自然が織りなす風景や光には、人が創り出せない最高の美しさがあるが、人が創り出す光の芸術もまたいいものだ。誰かの心をハッピーにしようとつくられたものだからだろうか。この時季だけの、特別な景色だからだろうか。寒い夜に様々な色の明かりがあたたかく映るからだろうか……。
一人で眺めるのと、二人、もしくは家族と眺めるのとでも感じ方には変化がある。実は結構、一人で見るクリスマスの光は好きだったりする。「もう行こう」と急かされることなく、静かに、好きなだけそこにとどまって見続けることができるから(笑)。
明日はどこに寄り道して帰ろうかな。
宮崎 美里