地球に抱かれたお産
久しぶりに我が家で塩がきれました。3番目の妊娠中にどっさり買い込んだ塩のおかげで、おそらく3年近く、メインのお塩を買う必要がなかったんですね。
メインの、というのは、旨みがあと少し欲しいときはこの塩を足すなど、味の違う数種の塩を使っているからで、でも、どんな時にも一番最初に入れる塩、という意味でメインのお塩があって、それが七五三塩です。
つまり一番気に入っている塩なのですけど、なぜその塩を妊娠中に3年もつほど大量に買い込んだのかというと、自宅のお風呂で出産するつもりだったので、そのお塩を入れたお湯にしたかったんですね。七五三塩は世界中の塩をブレンドしたお塩。地球に抱かれて出産するようで、とても素敵だと思いました。
そこで『あなたにもできる自然出産』を見つつ適切だと思われる塩の量を算出して購入すると、えらい量になったんです。それが切れるってことはそろそろ時効かな?と思って、これまで書かなかったことを書いてみます。
40超えの高齢妊婦の病院での扱われ方について。
30代半ばの女性と話していて思うのですけど、40を過ぎても大丈夫とのんびり構えている人が多いです。初産から高齢の私は人のこといえないのですが、40を過ぎての出産となると(初産でなくきょうだいを産むケースでも)、妊婦の希望が通らない可能性が断然高くなります。そして医療の都合でベルトコンベア式に産まされるお産は、尊厳も何もなく、苦しいですよ。覚えておいてください。
年齢以外問題はない
3人目のお産のときは、助産院の提携医が、助産院での出産許可を最初からくれませんでした。
以前なら40代半ばでも経産婦なら許可が出たそうですが、代替わりして若い先生になってからは、高齢妊婦は切る方針に変わったそうです。
医師の代替わりにより、自然分娩が難しくなっていく側面があるんですね。
例えば、逆子を経腟分娩させる技術を持った病院も、どんどん減っているはずです。
私の知る引退なさった先生は、数十年逆子の経腟分娩を手がけながら事故がなかったそうですので、難しくはないらしいのですが、やったことのない若い医師が多いことからしても、当然、その技術は継承されていません。
すぐに帝王切開になるのは、とても残念なことだと思います。
私は年齢を理由に、NICUのある大病院への転院を勧められましたが、でも今さら病院で、分娩台で産むなんて怖い、と思いました。
さあどうする?というときに、自宅でプライベート出産した人に話を聞き、自分も家で産む!と思って、のちに塩を買い込んだわけですが。
家で産むと決めた場合には、その後、医師の健診を受けるか、受けないか、が問題になります。
そもそもすでに医療関係者に把握されている妊婦が、そこで消えるのは難しい気もしますけど、私はたまには健診を受けるつもりだったので、難しさの度合いは試しませんでした。
実際高齢ですし、お産は何があるかわからない。
自宅で産む準備の一環としても、健診はたまには受けたほうがいいと思いましたので。
年齢以外の問題はないので、転院は後期でいいと言われ、最初の病院で健診を受け続けました。
私の素行が悪くて、助産院との提携にヒビが入ったりすると申し訳ないので、そこは配慮をして、問題にならないくらい間引いた回数で……。
そして妊娠後期、東京でも大きな病院の一つに、紹介状持参で転院しました。
そこの医師が、高齢妊婦の扱われ方のシビアさを象徴する、倫理的に問題のある振る舞いをしたので、書いていきます。
プレマ株式会社東京スタッフ
望月 索(もちづき さく)
8歳、5歳、1歳の三姉妹の母。
人一倍不摂生な出版仕事人が妊娠、出産、育児と経験を積むうちに、気づくとハードコアな自然派お母ちゃんに。
編集、ライター、プレマの東京スタッフ。
編著に『子どもを守る自然な手当て』、訳書に『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』など。
楽だから自然なお産ご質問などは下記ブログまで
http://macro-health.org