病気を治すことは、適切な薬を飲むことではなく、治る力を邪魔しないことだと思っています。苦痛を取ることは必要ですが、それだけでは本当の意味で病気が治るわけではありません。もともとニンゲンは自己治癒力を持っています。風邪をひいても寝ていれば治りますし、がん細胞は毎日何百何千個もできていますが、免疫力でがん細胞を壊しています。逆に免疫力が下がると、風邪でも命に関わることもありますし、がん細胞は増えてしまいます。
免疫力というのは「生きる力・生命力」と同義語だと思っています。これまで「好きなことをたくさんして、嫌なことはできるだけ少なくしましょう」とお伝えしてきました。それは自分のエネルギーを拡大することが、病気を治すことに直結しているという確信があったからです。「好きなことにはなるべく触れる、嫌なことからは逃げる」というのは生き物としてあたりまえのこと。ニンゲンだけが好きなことを我慢し後回しにして、嫌なことは無理をして我慢しながらやっています。その我慢や無理がエネルギーを収縮させ、結果として免疫力を下げてしまい、病気が治る邪魔をしています。
生命力(いのち)の視点からニンゲンを見てみると、自分で自分を苦しめているようにしか見えません。迷惑をかけないようにする(誰かのためにがんばる)ことで自分のエネルギーが落ちてしまい、病気になって、誰かの足を引っ張るという本末転倒なことが社会全体で起きています。
「いのち」とは?
「いのち」とはなにか? みんな一つずつ「私のいのち」を持っていると思っています。しかし、35億年前に地球上に生命が誕生してから現在まで、単細胞生物から進化して一度も途切れることなく続いている植物や動物、そのほかのすべての生き物全体で「いのち」なのではないでしょうか。「いのち」とは、数億年もの間、子孫に遺伝子を繋げようとしてきた、連続した流れのことだと捉えることができます。ニンゲンはたまたま脳を発達させて、自我というものを獲得したので「一人に一つのいのち」という勘違いをしているように感じます。
そして、大切なことは、いのちは絶対に自分を責めないということ。動物も植物も自分を責めることはしません。赤ちゃんも自分を責めません。脳を異常に発達させたニンゲンだけが、自分を責めることができるようになってしまいました。自分を責める思考がどこからやってきたか、分析してみると、すべて外部情報を元に自分を批判していることがわかります。その土台になってしまっているのが母親の価値観です。それを元に先生や友人、社会の意見を取り入れて、自分なりのプログラムを作り、そのプログラムが自分を裁いているのです。人や時代が変わると価値基準も変わりますが、一旦インストールされたプログラムはなかなか変更ができません。
「いのち」を生きる
自己否定するプログラムを外す練習をご紹介します。いのちは自分を絶対に責めません。もし自分を責める思考に気づいたら「これは誰の意見?」と自分に問いかけましょう。誰のものかわからなくても、その思考は自分のものではありません。「私じゃない」「その思考はもう必要ない」と宣言しましょう。1回では消えないかもしれませんが、繰り返しているといつか消すことができるようになります。これを続けていると、本来の「いのち」を生きることができるようになります。
ホ・オポノポノ的に解釈すると、自我の欲や執着で「いのち」を傷つけてごめんなさい、ゆるしてください。いつも大きな命の流れに気づかせてくれるように計らってくださってありがとう、愛しています。これを祈りの言葉として唱え続けましょう。