宮古島で育つ「宮古ビデンス・ピローサ」は古くから多くの病気に効く薬草として重宝されてきました。武蔵野免疫研究所はその可能性に注目し、現代の健康維持に役立つ製品を開発。代表を務める父の影響で、幼少期から宮古ビデンス・ピローサに親しんできた吉田氏に話を伺いました。
入社する前は、父親の仕事として、宮古ビデンス・ピローサで多くの方が健康を取り戻すのを見て「本当にすごいんだな」と感じていた。現在は自分自身がお客様から喜びの声を聞けるのが嬉しいと話す
宮古ビデンス・ピローサはキク科の植物で、世界中に分布する有用薬草のタチアワユキセンダングサのことです。民間療法が主流だった時代は、東南アジアを中心に、リウマチなどの疾病治癒に効く薬草として重宝されていました。でも、現代になってからは、雑草としてないがしろにされていたんです。そこで、私の父が代表取締役を務める武蔵野免疫研究所が、1996年ごろから、その効能に着目して製品化のための研究開発をしてきました。社名に「免疫」とあるように、増え続ける一方のアレルギーや免疫疾患の改善に役に立ちたいとの思いが出発点です。
私も10代半ばまでは宮古島で育ち、父が情熱を持って仕事に取り組むのを傍で見ていました。家庭でもよく研究の話を聞いていましたし、家では毎日、宮古ビデンス・ピローサのお茶を飲み、寝る前にはタブレットを摂っていました。当時はそれほど意識していませんでしたが、今考えてみると、家族の誰にもアレルギーはなかったし、風邪などもほとんどひかず、元気だったなと思います。
宮古ビデンス・ピローサと同じ種類の植物は沖縄本島や九州など、宮古島以外でも栽培されていますが、研究の結果、宮古島のものは非常に優れていることがわかっています。育つ環境にその要因があり、まず、日本の土壌のほとんどが酸性なのに対し、宮古島では弱アルカリ性です。そして、もともとサンゴ礁が隆起してできた島なので、土壌中のミネラルが豊富です。ほかにも、台風の通り道であることや、山がなく平坦な土地なので潮風がいつも吹きつけているなど、過酷な自然環境が、それに耐え抜く植物本来の生命力をとても強くしているようなのです。
さらに、無農薬・緑肥だけで清浄栽培することや、収穫直後に工場に持ち込んで加工することなど、独自の栽培方法や基準を設けることで、高い品質を保っています。無農薬・無化学肥料なのは、環境汚染を防ぐためですが、20年前の当時は、農家さんたちから「無農薬なんて農業じゃない」と抵抗が強かったそうです。宮古ビデンス・ピローサの事業には、地域振興の側面もあり、自治体の協力を得ながら、栽培農家さんや工場で働く方などの雇用創出や所得の向上をめざしてきたのですが、もちろん初めは難しいこともありました。
最初に関わりを持ってくれた一軒の農家さんから、「手作業で大変だけど、全量買い取ってくれるからいいよ」といった口コミや、地元の店に製品が並ぶのを目にすることが増えていくなかで、少しずつ広がっていったんです。今では、約30軒の契約農家さんに、宮古ビデンス・ピローサと春ウコンを栽培していただいています。
私が4年前に入社する前は、父の会社のものづくりの姿勢について、「研究を重ねて機能性が実証されたものだけを製品化している」「イメージ戦略ではなく、品質そのもので勝負している」という印象を持っていました。大学卒業後は、医療関係の会社に就職したのですが、やはり世の中の広告宣伝の裏側を知るにつれ、この会社が愚直なまでにいいものづくりに取り組んでいる点をあらためて意識し、私もここで働きたいと思い転職しました。入社してからも、以前からの印象はまったく変わりません。学会や医療関係者の間で宮古ビデンス・ピローサの効能が注目され、患者さんに利用されてきたという背景があり、私も重い症状が改善された例を幾度となく目の当たりにしてきました。
花粉症などの「目や鼻の不快感を軽減する」機能性表示食品ですが、じつは春だけでなく、紫外線が強く、身体が消耗しやすい夏の季節にも最適です。有用成分やミネラル豊富な水分をしっかり補給することで、身体に負担をかけず、健康を維持することができます。1日1.5リットルを、ホットか常温で飲むことをおすすめしています。毎日煮出すのが大変というご家庭のために、最近水出し用も発売しました。また、宮古ビデンス・ピローサの強みは、内側からだけでなく外用にもいいこと。お茶を販売してしばらくして、あるお客様から「お茶の出がらしで肌パックをしたら、傷の治りが早かった」とのお声を頂戴したのです。実験でそのような結果が得られたことから、化粧品も開発しました。「アンチポリューション」を切り口に、大気汚染やストレスなどから肌を守る大切さをお伝えしています。宮古ビデンス・ピローサについては、まだわかっていないことも多いですし、科学技術が発展するにつれ、新たな効能が判明することもあります。弊社の社員は、みんな自社の製品を愛用しているのですが、それは本当にいいものだと体感しているからです。これを一人でも多くの方に届けることで、健康でいる方を広めることが、私のミッションです。そのため、現在は情報発信やデザインなどの届け方を工夫することに取り組んでいます。実直な事業ゆえ、売るための誇大広告や宣伝をしてこなかったのは共感する点ですが、もっと多くの方に知っていただくことも大事です。最近は、パッケージや通販サイトのリニューアルなどを経て、少しずつおかあさん世代にも手に取っていただけるようになりました。自然のものなので副作用もなく、どの世代にもご利用いただけます。宮古ビデンス・ピローサのような有用な薬草を生活に取り入れることで、健康で長生きできる人が増えてほしいと心から願っています。