お腹の中の成長を復習した
包括的性教育の授業を見学する機会があり、お腹の赤ちゃんが育っていく過程を小学生と一緒に学びました。見学している母親たちは、知っていることがほとんどのはずですが、改めて見ると発見があります。妊娠2か月の時点で、2~3センチ、4グラムだった胎芽が、30センチ前後、2500グラム以上の胎児まで成長する過程を見ていくと、ぐんと大きくなっていくタイミングがわかります。それは妊娠15~16週、つまり安定期に入るころ、胎盤が完成してからです。母親の血液中の物質が胎児へ移行しやすかった状態から、一種のフィルターがかかったような状態になります。赤ちゃんの成長とともに胎盤も成長するので、胎盤そのものも、20~30センチ、厚さも2~3センチ、重さ500~600グラムにまで成長します。
臍の緒で栄養などが胎児へ運ばれるイメージはわかりやすいのですが、胎盤はどうなのでしょう? 臍の緒の先なので、やはり栄養や水分、酸素を供給し、老廃物を母体に届けます。ホルモンの分泌にも関わっているようです。近年、体内の臓器ネットワークが注目されていて、胎盤で赤ちゃんの成長に関するメッセージ物質が頻繁に交換されているなどの研究もあるようです。
胎盤も臍の緒も
胎盤は子宮に由来するものだと思っていました。しかし、授業では、「子どもの細胞からできている」という指摘がありました。調べてみると、母親の組織に由来する基底となる膜と、胎児の組織である絨毛で構成されていました。膜の中に絨毛が収まっているので、お母さんの中に赤ちゃんがいる、という構造は同じです。
胎盤の一部が胎児であるというのが新鮮な驚きで、「だから、子どもが生まれてから胎盤も産み落とすのだな」と納得。動物は、胎盤を食べることがあるとされていますが、「血のにおいをそのままにしておくと危険だから」「栄養補給のため」「止血や子宮の収縮に役立つから」という説明がされています。この最後の産後の回復に役に立つ、という観点は、人間についてもいわれていたことがあり、わたしが第一子を産んだときには、産後に希望すれば胎盤を食べることができました。せっかくなのでいただいたところ、新鮮な胎盤は、くさみなどはなくコリコリしていて、生姜醤油がつけられていたので、生姜醤油の味がしました。少量食べただけなので、栄養補給になったなどの効果はわかりません。しかし、残りの胎盤は、医療廃棄物として処理されたんでしょうか。持って帰って、肥料にすればよかったな(そういうママ友もいました)。
胎盤は血液がついていることもあり、現在は持ち帰りが禁止されるケースが多いと思われますが、場所によっては、一般ゴミとして捨てられないことの説明を受けたのちに、許可されるみたいですね。また、臍の緒については、希望すれば、切った残りの長い部分も持って帰れる可能性があります。要はバースプラン次第です。長くても、乾くと臍の緒を収める桐箱に入るくらいのサイズ感になるので場所はとりません。わたし自身に具体的なプランはなかったけど、「将来技術が進んだときに役に立つこともあるかも」と、念のため臍の緒を長めにとってあるお産もあります。もちろん、臍帯血バンクに寄付するなども考えられるので、産後、ただ捨てるだけではないあり方を、検討するのもいいと思います!