前々回の「心のコップ、いま何%?」のコラムで、自身に心を満たす言葉をいっぱいかけることをご紹介しました。しかし、これを継続するのはなかなか難しい、というのも事実です。私たちの「頭」はいつも正解を求め、曖昧なことをそのままにしておくことがとても苦手です。そのため、はっきりとした結論がほしいと思ってしまいます。問題を解決したいという欲求は尽きることがなく、その結果、頭の中はいつも考えごとでいっぱいです。よほど意識しないと「自分を満たす言葉を自分自身にかける」なんて続けることができません。そこでいろいろ試行錯誤し、継続しやすい方法を考えました。
まず憧れている人や好きな人、あるいは大好きな芸能人やアーティスト(推しメン)を思い浮かべます。もしだれもいなければ、理想のパートナーが現れたと想定してみましょう。現在パートナーがいる人は、そのパートナーでもいいし、こっそり内緒でもっと良いと思えるパートナーを想像してもいいと思います。その人が自分を褒めたり、愛の言葉を囁いてくれたりしていると妄想してみましょう。「よくがんばっているね」「そのままのあなたが大好きだよ。愛しているよ」など、その人に言ってほしい言葉を言ってもらいましょう。ポイントはそのままの自分を愛してくれていると思うこと。そして、この妄想をできるだけ何度も繰り返すことです。楽しんでやってみましょう。
次に、目標としている先輩や尊敬する人(大谷選手など)、大好きだった先生、大好きな歴史上の偉人などを思い浮かべます。その人が自分を褒めてくれたり、認めてくれたりしているという状況を妄想しましょう。「あなたを誇りに思うよ」「あなたの存在そのものが素晴らしいよ」「あなたのことを尊敬しているよ」など、その人が言ってくれたら、とても満足するような言葉を言ってもらいましょう。ポイントは、自分自身を一切批判しないこと。そして、何度も妄想することです。
練習して、すぐに想像できるようになったら、好きな人と尊敬する人を、それぞれ自分のすぐ隣にいてくれていると想像してみましょう。左右どちらでも構いません。しっくりくる配置を試しながら、その人たちがいつも自分の横にいて、自分を満たす言葉を言ってくれていると想像します。この技を「召喚」と呼ぶことにしました(召喚とはファンタジー作品などで、魔術を使ってモンスターや精霊などを呼び出すことを指します)。
もし想像できる人は何人でも召喚して構いません。想像力のある人なら何人も同時に召喚して、みんなが自分を満たす言葉を言ってくれているシーンを思い浮かべることができるかもしれません。練習を続けていると「召喚した」と思うだけで、心が満たされる感じを再現できるようになります。状況に応じて「大丈夫だよ」「君ならできるよ」などのように、言ってくれるセリフを変えてもいいでしょう。また召喚する対象は、自分が安心できる存在であれば、妖精や天使、信仰する神様や仏様などなんでも構いません。幸せになった未来の自分が、現在の自分にアドバイスするという設定も楽しかったです。ご自身の想像力を自由に働かせて、ぜひいろいろ試してみてください。面白い方法があったら教えてくださいね。
この召喚の技を身につけることは、大人の自分が、傷ついた過去の自分、そして満たされない現在の自分へ、本当は親やだれかから言ってほしかった言葉をかけてあげることにつながります。シャワーを浴びるように、自分への慈しみ、思いやり、優しさをいっぱい向けてあげましょう。それが「自分は愛されても良い存在」「つねに愛されている存在」だということを潜在意識に定着させてくれます。満たされているという感覚が徐々に増えていきます。
