1番寒いとされるこの時期ですが今年はとても暖かく、雪を見ぬまま終わりそうです。
京都人はとかく京都のことをけなし、自慢するという愛すべき癖があるのですが、冬の寒さと夏の蒸し暑さまでもがその対象でして、特に他府県の方々に「京都は寒い。底冷えする」と言われた時の京都人の嬉しそうな顔!(私ですぅ~ 笑)お隣の大阪府との方言や文化の違いが話題になれば如何に京都が素晴らしいかを謙遜しながらも力説します。しかし話題がさらにひろがり、関西VS 関東になったとたん京都・大阪・滋賀は同盟を組みます。もっとひろがると日本と韓国・中国・台湾を比較し、微妙な優越感を持って怖れたりと、この辺りからアジア圏の日本と捉えにくく、次第にアメリカの影がチラつき始めます。
昨年インド人の友人ベリーさんとお料理教室を開 催する機会があったのですが、彼が話したメッセー ジが印象的でした。『怖れるな。誰が言ったこと? あなたたちが怖れるべきは神様です。 人間は怖れな くていい。仲良くするのです。よくアメリカが悪い 国いいますけど悪いアメリカ人いるだけ。インドに も悪い人いる。日本も美しい国ですけど汚い人いま す。そして私はもう日本は飽きました。隣に誰住ん でる知らない。助け合わない。変。インド違います。 世界全部どこにでも行って大丈夫よ。日本人怖れる な』。
こう話しながらもチャパティを30名分もニコニコと手際よく焼いていました。「もぉともぉと食べてぇ~~」サービス精神と大概の事は受け入れる愛の塊のようでした。
教室では私が我流で作るインドカレーと彼の本格インドカレーをワンプレートにして提供しました。私の我流カレーを作る工程はフードプロセッサーをガンガン使うものでしたが、彼は断固として包丁で。(フードプロセッサーは受け入れない 笑)
バラナシで育った彼は両親もいません。読み書きも出来ませんがヒアリングだけで覚えた5ケ国語以上の言語が操れ、観光ガイドもしていました。現在はガイドした日本人女性に一目惚れし、猛烈アタックの末、電撃結婚し、かわいい女の子を授かって日本で暮らしています。日本で働いてバラナシで日本人向けの宿を作ることを目標にご夫婦で努力されています。
常にフェアーでいること。他人の眼ではなく、大きいものの存在(神)を正しく怖れる。口癖は『ダイジョーブ』。(大丈夫じゃない事多々あるらしい!奥様談)京都人との違いは、、インド自慢がない事!!彼が自慢するのはビッチではない日本人妻とかわいい子供のことだけ(彼曰く妻以外の日本人女性は皆んな「ビッチ」らしいです 笑)
インド人ですからここでは書ききれない位『ハァ~~~っ???』『嘘でしょ~~!!!』と叫んでしまうエピソードもたくさんあるんですが、そのたびに私は自分のものさし(常識)が思い込みであり、垣根を作り他者を分断していたのだと気づくのです。 みんな同じでは面白くありません。もちろん同じところがあったらそれも嬉しい。「認め合い 尊重する」とはアイデンティティの破壊が必要な場面もあるかもしれません。
私はもともと芸術畑にいた人間です。『シンプルイズ ベスト』とは過剰に過剰の限りを体験し、そこからこれ以上削ぎ落とすことができないところまで削ぎ落とした最終的な『美』のありかたなのだと思っています。 考え方や生き方ももしかしたら同様で現代は多種多様に出揃った状態です。体験の有無はあれど、シンプルに回帰する時代にさしかかって来たのかもしれません。
ベリーさんはその美しく光る眼で今日も京都・鴨川沿いを自転車で走り、出勤です。視線の先は。。『はぁ~ い あなた可愛いねぇ~ ~ ~ ~ 年いくつぅ~~??』。日本に来て3年。こうして日本語を覚えたらしいのですが、、、単なるナンパ?! では??笑 いいんです。インド人ですからね~~~尊重しましょう!!!(このエピソードは奥様公認。因みに私の指導者養成コースの認定指導士のひとりは本当に声かけられた事があるそうな。。笑)彼が京都・鴨川の名物になり、京都人の自慢ネタになる日も近いかも?!
今月のおやつは、「もちきび」を使ったシンプルなぜんざいです。もちきび餅が余ったら きな粉であべかわ餅風にしても美味です。
ベジタリアン料理家
erico
ベジタリアン料理家『erico のベジタリアンお料理教室』主宰 マクロビオティック望診法指導士プロフェッショナル(山村慎一郎 名古屋山村塾)マクロビオティックをベースとした美容食事法や、現代生活に即、取り入れられる「食べかた」を華やかなレシピと共にご提案されています。その他、マクロビオティック望診法や、『食育』に関する講座やワークショップも企画。長年のカフェマネージメントと、アトピーの息子と暮らす経験を生かし、「続けられるマクロビオティック」を伝えておられます。料理教室はインパクトのあるカラフルなルックスと輪郭のはっきりした味付けが大好評で毎回満員御礼! お料理教室の詳細などはブログ「ベジタリアン料理家erico」へ。 |