ササッと作れる、夏にぴったりのさっぱりスープ。タマリンドの爽やかな酸味が、疲れたカラダにじわっと効きます。ノンオイルなので、キリッと冷やして飲むのもおすすめです!
<材料> 2人分
・浄水……400cc
・タマリンドペースト……大さじ1
・プラントメイト(ミンチ)……大さじ3
・ターメリックパウダー……小さじ1/4
・トマト(2cm角切り)……1/2個分
・なす(2cm角切り)……1本分
・香菜(みじん切り)……大さじ3
・生の激辛青唐辛子(みじん切り)……1〜2本分
・萬福精進白だし……大さじ1
<つくり方> 調理時間:10分
①小鍋にすべての材料を入れ、中火にかける。
②沸騰したら弱火にし、5分ほど煮込んで完成!
*香菜の代わりに、大葉、セロリの葉、ミントでも風味豊かに仕上がります。
*辛味が苦手な方は、青唐辛子の代わりにピーマンやパプリカでもOK
使用食器:森修焼 フルール(-Fleur-)ボウル 16cm
ありがとう一族
8月が来るたび、戦争体験を語ってくれた亡き父を思い出す。今号は少しまじめに、大切な家族の話を綴らせてください。
私の姑、キヌたんの家(夫の実家)では、「ありがとう」が驚くほど飛び交います。初めて挨拶に行った30年前、キヌたんは天麩羅を揚げてご馳走してくれました。夫も夫の妹も、「ありがとう、美味しいわ!」「お母さんありがとう、立ちっぱなしでごめん、ありがとう」と感謝の連打。戸惑っていた私に、妹が耳打ちしてきました。
「“ありがとう”多すぎてキモいやろ? ウチな、親戚が血のつながりのない人ばかりで、気持ちはちゃんと声に出して伝えてないとアカンねん」。
キヌたんは、大牟田の炭鉱町で、産みの親とは別のご夫婦に託されて育ちました。「私は“貧乏お嬢さん”だったのよ」と明るく笑う姑。炭鉱社宅は助け合いに満ち、温かく、非常に文化的だったと語ります。
特殊な環境で育った感性は、やがて詩の創作へとつながり、10代から詩作に取り組み、テーマは一貫して「人間性の喪失と回復」。今もキヌたんは、詩人としての活動に加え、炭鉱の街と時代の記憶を展示や紙芝居で語り継いでいます。詩絵本『海底の紙ひこうき』には、炭鉱事故に巻き込まれた父との暮らしが、記憶の奥行きとともに描かれています。
喪失の記憶が胸をよぎる敗戦記念の8月。それでも人は、「ありがとう」とともに、新たな家族を育んできたのかもしれません。もちろん、どうにもならない事情や、距離を置かざるを得ない関係もあるけれど。
私は、そうやって「ありがとう」でつながる家族の一員として、いつか血縁のない女性たちが集える『みんなの実家』のような、『ありがとう一族の土地』を築けたらと具体的に考えています。