前号では心と体の緊張を減らすと、病気や体調不良、メンタルヘルスが改善することを書きました。緊張を減らしてリラックスするためには、意識を「今」に置くことが大切です。そのための言葉として「今がゴール、ここがゴール、これがゴール」を紹介しました。今号では引き続き緊張を緩めるための心のありかたについて書きます。
完全にリラックスするとはどういう状態でしょうか? お風呂でゆったりしているとき、熟睡しているとき、瞑想や気功、ヨガでサマーディ(三昧)を体験しているときなどが思い浮かびます。また、すべての人が経験したことがあるお母さんの子宮に包まれているときも、そうかもしれません。妊婦さんが体調不良や精神的に悩んでいる場合を除いて、子宮に包まれている状態は、人類にとって完全なリラックス状態だと推測します。そのような深くリラックスした気分をいつでも再現できるようになったら、ストレスが溜まってきてもすぐに回復できるのではないでしょうか。
そこで深くリラックスするための方法を二つご紹介します。
気功には大周天という境地があります。深い瞑想状態で呼吸するのを忘れてしまうほどのリラックスを感じることができます。それを簡単に擬似体験する方法です。
自分の周りをすっぽり包むような卵型の氣のエネルギーをイメージしてみましょう。そこに宇宙のエネルギーが降り注ぐイメージをします。次に大地から地球の愛が体に流れ込むイメージをします。これを練習すると、深いリラックスが得られるようになってきます。ポイントは、できるだけリアルにイメージすること、いろいろな思いを手放して、ただ心地よさを感じ取ることです。
もう一つは、「すべてのものに愛を感じる」という練習です。例えば、目の前にある机やベッド、タンス、本棚などは、木を切って、加工した人たちがどこかにいるはずです。その関わった人たちが、「使う人が便利に使えるように」と意図したから、それが存在しているのです。それもひとつの愛のかたちです。そういう意味では、身の回りにあるすべての製品は誰かの愛でできています。家の壁や屋根は、家のなかで安心して過ごせるように大工さんが作ってくれたものです。毎日の食事は、太陽の光や大地、海、風などの大自然のエネルギーのうえに、農業や畜産業、漁業、加工業などに従事している人たちの愛がこもっています。さらに、今吸い込んだ酸素も太陽の光を植物が光合成をして作ったものです。あなたの周りの人たちにも、それぞれ愛があります。自分には害でしかないと感じる人にも、両親や家族がいて、その人たちから愛を受け取ってきた人です。某国の大統領も誰かには愛されているだろうし、誰かを守ろうとしているのだろうと想像できます。
このようにイメージしてみると、目の前にあるすべてのものに愛があります。その愛にいつも包まれているイメージをしてみましょう。しばらくその感覚を味わっていると、深いリラックスが訪れます。
この練習をしてみて気づいたのは、愛がないものはこの世には存在しないということ。たくさん愛を感じるか、少ししか愛を感じられないかの違いはありますが、愛がまったくないということは存在しないようです。もう一つ気づいたことは、愛があると感じていると、そこに問題は存在しないということ。問題とは愛がないと感じた(勘違いした)ときに生じるもののようです。
今回の気づきをホ・オポノポノで解釈すると、「そこにある愛に気づかなくてごめんなさい。勝手に愛がないと勘違いしていました、許してください。つねにあふれる愛で満たしてくれてありがとう。私も愛しています」。唱えていると、とても優しい気持ちになります。
※ハワイにおける、告白による和解と許しの習慣、社会秩序・家族関係を回復するための習慣、病気からの回復法・予防法