前回は過去の解釈が変わると、今生きている世界が変わるというお話でした。
自分は今まで愛情をもらえていなかったと思っている方や、愛情はあったけど傷つけられたと感じている方もいると思います。でも、それは本当のこと?
事実でしょうか?
そう思うようになった出来事は確かにあったのかもしれません。ただ、その解釈は幼い子どもの頃の自分がしたものです。今苦しいと感じているなら、その解釈を変える勇気を持ってみましょう。
現在の状態を言葉を変えて表現すると、「自分が欲しかった形で愛情をもらえなかったと感じている」ということだと思います。そう言われてみれば、誰しも自分の思い通りに親の愛情を100%もらっていた、ということはないと思います。親も人間ですし未熟だったかもしれません。受けとる自分も、素直に受け取っていない場合があります。そしてこう思っている方は、「どうせ自分は愛されない人」だと自分のことを否定的に捉える傾向にあります。この状態から解釈をすこしずつ変えていきましょう。
まず「自分が欲しかった形で愛情をもらえなかった」→「自分が欲しかった形ではない愛情はもらったかもしれない」と変更します。「どうせ自分は愛されない人」→「愛されない時があった人かもしれない」とこちらの解釈も変更します。
この変更は「まあそうかもしれない」と納得できると思います。次に「自分が欲しかった形ではない愛情はもらったかもしれない」→「自分が思ってもみない形で愛情をもらっていたかもしれない」そして「愛されない時があった人かもしれない」→「愛されなかった時はあるが、愛されない人ではない」と変更してみます。
最終的には「自分が思ってもみない形でいっぱい愛情をもらっていた」そして「愛されなかった時はあるが、自分は愛される人である」と勇気を出して過去の解釈を変えてみましょう。
これは、ないもの探しの脳の考え方(マインド)のクセを変えることでもあります。マインドは常に何か問題がないか探して改善しようとしています。あれがないから、これが足りないからと問題の原因を探し続けています。つまり愛情をもらっていないから幸せではないのだと思ってしまいます。このマインドのクセを、あること探しにシフトするのです。「愛情もらっていたかもしれないなあ、そういえば……」と言ってみてその後に続く「……」に当てはまる言葉を自分で探してみましょう。
自分に愛があふれれば、感謝できるようになります。自信が持てるようになります。そして人にも愛を注ぐことができます。それどころか人に愛を上げれば上げるほど更に増えていきます。是非やってみてください。
山内昌樹
医師 山内昌樹氏 平成19年まで一般小児科医として診療を行うかたわら、統合医療を志しYHC矢山クリニックで小児科を担当。平成22年12月佐賀市内に『統合医療やまのうち小児科・内科』を開院。 医師となってから、重病の患者さんが劇的な回復をすることや子どもの生命力の素晴らしさなどを経験するも、個人差を考慮しない画一的な治療、ステロイド薬や免疫抑制剤の副作用など、西洋医学の限界を感じる。 漢方薬や代替療法と西洋医学を融合して治療を行うYHC矢山クリニックで小児科を担当、病気の真の原因を学び、実際の診療で効果が見られることを経験。 |