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オルタナティブファーム宮古

自然の恵みいっぱいの宮古島から農業や商品開発するなかで感じたこと気づいたこと

オルタナティブ
ファーム宮古 代表

松本 克也 (まつもと かつや)

自動車メーカーなど14 年の研究職を離れ、2012 年5月に家族4人で宮古島に移住。約1万平米の畑で主に有機サトウキビを栽培し、黒糖蜜やキビ砂糖などの加工品を製造。
畑で黒糖作りが体験できるプログラムも準備中。その他、有機バナナの栽培、未完熟マンゴーの発酵飲料の製造に携わる。

【Vol.78】自然から学ぶこと

投稿日:

 無農薬・自然栽培を実践する農家さんで研修をさせて頂いた時に共通して感じたことは、そこで働く人たちが皆一様に、明るく・やさしく・力強く、そして『謙虚』であることです。謙虚でいられることはとても大きな美徳だと思いますが、今になって、その理由がわかってきた様な気がします。

(1)自然の偉大さを実感

 野菜・果樹・草花・木々など様々の植物に接し、偉大なる自然が創り出す/見せてくれる造形美・機能性・精巧さ・逞しさなどに触れると同時に、人が関与できる範囲の小ささを知ると、人は自然と謙虚に(ならざるを得なく)なるのではないかと思います。パッションフルーツの花、ダイコン葉の並びなど、畑で見るとアートとしか表現できないぐらい美しく感じます。かぼちゃが蔓を伸ばしながら、すべての葉が上手く太陽の光を受ける様に葉を広げていく様子は、なんと機能的で美しいデザインかと見とれてしまいます。きゅうりのひげ根は巻き方向が途中で反転することで強風にも耐えるスプリング機能を持たせているのだということを知って、その精巧さに感心しました。台風の雨風に打たれ、真夏の灼熱の太陽に灼かれても耐え抜くサトウキビの逞しさは、屋内に避難する私たちは脱帽せざるを得ません。
 野菜たちは適期・適地の環境が整えば、自然の摂理に従って、ほんの数時間の間でも驚異的な成長を遂げてくれます。野菜・果樹・サトウキビなど各種栽培に着手していますが、『私が(彼らを)育てている』という意識ではなく、『(私は)彼らが育つ環境を整え(ようとし)ている』という意識にならざるを得ない経験を既に何度もしてきています。(これは私が未熟だからこそのエピソードですが)一つ例を挙げると、育苗箱(メッシュのプラスチックトレー)でトマトを播種しましたが、気温・水量・日照など、どの環境が悪いのか発芽せず、しょうがなく畑に土を返したらいつの間にか勝手にたくさんの芽が出ていて、すべて立派に実をつけるまで成長しました。『私たちトマトが好きなのはこういう環境なんだよ』って教えてくれている様でした。自然に学ぶ姿勢の延長線上に、『私が』というエゴが出にくくなる環境が与えられている様に思います。

(2)自然のサイクルに沿った生活
 畑で美しい朝日・夕日を拝む、汗した後に木陰に座って麦茶を飲む、お昼の休憩に海で禊ぐ、時に灼熱の太陽に灼かれて汗をダラダラ流しながら作業する、時に爽やかな雨に打たれながら作業する……そんな環境で仕事をしていると本当に心地良く、明るく、やさしくいられる様な気がします。(勿論、畑作業以外にストレスに感じる仕事も多少なりともありますが……笑。)夏場の休憩時に食べるスイカの美味しさは格別で、同じものでも涼しい部屋で食後のデザートに食べるものとは別物なぐらいの美味さに感じることができるのは、とても幸せなことだと思います。
 今になってみると、太陽光を見る時間よりも蛍光灯の光を見る時間の方が長い、土など久しくさわったことがない、というかつての私の環境は(それほど珍しいことではないと思いますが)むしろ不自然だった様に感じます。『健全な精神は健全な身体に宿る』ということを言いますが、畑作業を楽しみながら、同時に自分たちが作った無農薬・自然栽培で育てた新鮮な野菜・果樹を頂き、心と体両面の健康度を高めていきたいと思います。
 人からの話などを頭で理解したつもりでも、実体験を伴って初めて腑に落ちるということはよくあります。何十年も自然栽培をする先輩が『まだまだ勉強中。わからないことだらけ。むしろやればやる程わからなくなってくるぐらい』といわれる理由が少しずつしっくりくるようになりました。
 私も自然に学んで、先輩方に学んで、技術も磨きながら、やさしく・力強く・謙虚になれるように人間力も磨いていきたいと思います。
 また、幼稚園・小学生以上の子どもたちには、自分たちの身体を作る野菜がどんな風にして育つのか、プランターでもいいので試しに栽培して、よく観察して自然の仕組みに触れる・学ぶ機会を持ってもらいたいと思います。また、親御さんたちにはそういった学びを支援・評価してあげて頂きたいと思います。自分たちで作った野菜はさぞかし美味しく感じられることでしょう。

松本克也

松本克也氏
プレマ宮古島プロジェクトリーダー(兼農業生産法人(株)オルタナティブファーム宮古代表取締役)
2012年4月まで自動車会社に勤務。車体製造の接合技術開発に心血を注ぎ、エンジニア一筋の人生を送る。2011年12月にもともとプレマファンだった姉から「プレマ・宮古島プロジェクトの発足とスタッフ募集」のメルマガ情報を聞いて『これだ!』と直感し、転職を決意。そこからはとんとん拍子に事が進み、家族で宮古島に移住。今ではすっかり都人(実は京都出身)ならぬ宮古人になりました。
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プレマ株式会社の『宮古島プロジェクト 宮古島の自然農法を推進し、島の健全な地下水と珊瑚礁を守り、お客様に安心と安全を届けます。

- オルタナティブファーム宮古 - 2014年3月発刊 Vol.78

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