歳を重ねるたびに、時間が圧縮されているような気持ちになる年の瀬ですが、いかがお過ごしでしょうか。今年も多くのお客様とのご縁をいただきましたこと、改めて感謝申し上げます。弊社にとっては激動の1年となり、物流センターやオフィス移転などで数々のご迷惑をおかけしてしまいました。そんななかでも、以前と変わらずおつきあいいただいた永いご縁のお客様、混乱状態のなかご縁をいただいたお客様、いずれにも足を向けて眠ることができません。これからもどうぞ、よろしくお願い致します。
オリジナル商品の1年
今年は、数年前から構想してきた弊社開発の品々を一気に発売開始にこぎ着けることができました。とくに原発事故後、他社ブランドの製品を仕入れているだけではお客様に正確な情報や安心を届けることが出来ないと痛感し、自らの手による商品開発に力を注ぎ、年内に3桁以上の新商品をリリースすることができそうです。他社ブランドと重複する品も出てきますが、品質の担保力、製造メーカーとの協力体制など、弊社グループの名前を冠したオリジナル製品だからこそ実現出来ることがたくさんあります。国内外のメーカーさんとの信頼関係は、創業以来「3方よし」を常に経営の中心に掲げてきたことが大きく影響しています。自然食品、嗜好食品、機能性食品、エコロジー雑貨、ナチュラルスキンケアから繊維製品、生活雑貨まで、横断的に「迷わず、これをお選びください」と自信をもっておすすめできる品を続々ラインナップしてゆきます。ときに、開発に数年、または何十回もやりとりをすることも厭わず、どこまでもお客様に喜んでいただける品を、引き続きご提供してまいります。
さらなる国際化
以前から、弊社には国境を問わず各国出身のスタッフが働いていますが、今年はさらにそれを推し進める方向で人財を登用しています。最近ではミャンマー、中国、香港のスタッフがインターンとして、実務の勉強をはじめました。ブータン政府からも正式にプロジェクト依頼を受けるに至りました。しかし正直にいえば、日本のオーガニック、自然食業界は旧態然としたところがあり、市場は縮小しているという悲しい現実があります。チェルノブイリ事故後の欧州、米国のそれらの動きとは全く違う動き方をしており、一体日本人はどうなっているんだという気持ちとともに、私たちにもその一因があるという自覚ももって、ファッションやライフスタイル業界、一般の高級品市場との連携も強めながら、自分たちの立ち位置を確認しつつ仕事を進めています。特に米国ではエグゼクティブやファッションリーダーたちがこぞって安全なものを食べ、それを発信してきたことによって、食品全体のレベルが大幅にアップしてきたという経緯があります。ときに彼らの過激なメッセージであっても、困っている人との連帯のアクションは徹底しており、閉塞した日本社会では「政治的」もしくは「思想的」と押しつぶされてしまうようなことでも、歓迎されるムードがあります。私たちが世界的にみて実に独特な日本社会の問題に向かいあい、試行錯誤しつつも、アジア諸国の若者にこの仕事の魅力や可能性、日本におけるチャレンジを伝えることもまた責任であると同時にブレイクスルーを生み出すと考え、国内外のパートナーやスタッフと力を合わせて、日本・世界のお客様、そしてサプライヤーとの関係を強化してまいります。
しつこいこと
諦めることは、大人の優れた性質かもしれません。ときに子どもは諦めきれず、感情を爆発させることもあるからです。とはいえ、何でも簡単に諦めてしまえば、それまでであるともいえます。近江商人は「この峠は厳しい、だからこそ向こうにチャンスがある」と道が険しいことを喜んだそうです。最近の私もまさにこの心境です。峠は厳しいぞといったら、どれだけの人がついてくるか疑問ですが、それでもなおこの峠は厳しいから、すごく価値があるぞと言い続けることにします。それが、たぶん道を拓くということです。開拓者を応援してくださるお客様やスタッフもまた、パイオニアなのです。どうぞ、来年もご愛顧よろしくお願い申し上げます。