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食べ物と健康のおもしろ雑学

【Vol.43】どうして、腹八分目は健康に良いというのか

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 「腹も身の内」と、よく言いますが、美味しいものにありついて、つい満腹になるまでむしゃぶりつくようなことを繰り返していると、胃腸に障害をもたらし、病気の要因となり、長生きもできなくなってしまいます。
長生きと言えば、わが国では1865年8月20日(慶応元年6月29日)鹿児島県奄美群島徳之島、幕末動乱期生まれの泉重千代(満120歳没)さんが余りにも有名で、長年に渡りギネスブックにも公認の世界最長寿者でした。その泉重千代さんの長寿の秘訣は「物事にこだわらず、大らかに生きること」。日常生活は自分流で無理をしない。起床は日の出とともに、食事は朝昼とも固めのお粥一杯と、おかずは島で取れる野菜や魚。夕食はご飯の代りに黒糖焼酎のお湯割りを2~3時間かけて飲むのが日課だったそうです。泉重千代さんに限らず、長寿者の方は皆、腹八分目の食事を心がけているようです。

 栄養と食糧関係の研究者で農学博士・川島四郎の著書「アルカリ食健康法」に、なぜ腹いっぱい食べるといけないかの根拠を示す、一つの実験が紹介されています。満腹状態の人間の胃袋をレントゲンで透視すると、胃袋の表面はパンパンに膨れ上がってテカテカに光っており、消化のために蠕動するどころか裂けないように突っ張っている状態でした。川島博士によると、豚や羊などの動物は、本能的に腹八分目以上の食餌はしないそうですが、人間は意識的にコントロールする必要がありそうです。

 「胃液を充分に浴びない食物が腸に移行し、消化不良を引き起こすのは当然である」と川島博士はコメントしています。美味しいからといって身動きができないくらい食べてしまうのではなく、足りないと思うくらいが丁度良いようで、「腹八分目に医者いらず」とは、本当によく言ったものです。

山口清道

山口清道氏
日本予防医学研究会理事、フルボ酸・腐食性物質機能研究会会長。大手企業や新聞社、薬剤師会、教育委員会その他の各団体が主催する講演会で講師を務め、『食品破壊の実態』『カルシウム不足の脅威』などをテーマとする講演回数は1000回を越える。
現在は講演活動を休止し、食品科学研究所・BAOBAB代表、株式会社バオバブ代表取締役として、イメージ商品が氾濫する現代における、ほんもの食品の研究開発に取り組む。
【山口清道 氏 開発商品】さらり・すらり茶 / さらり・すらり茶ちょっとマテ! / 元気☆がまんの素 / アミノ酸タブレット

- 食べ物と健康のおもしろ雑学 - 2011年3月発刊 Vol.43

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