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中川信男の多事争論

「多事争論」とは……福沢諭吉の言葉。 多数に飲み込まれない少数意見の存在が、 自由に生きるための唯一の道であることを示す

プレマ株式会社 代表取締役
ジェラティエーレ

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

【vol.4】インドで死を考える

投稿日:

01ga_04.jpg私の魂のふるさと、インドのヴァラナシという町に約四年ぶりに行ってきました。

ヴァラナシは経済発展著しいインドの中で「最もインドらしい町」と称され、三千年以上の聖地としての歴史をもつ、ヒンドゥ教徒最大の聖地として知られます。

この町を流れるガンジス河は、命の母としての敬愛を込めてガンガーと呼ばれます。いつも祈りの人の流れはとぎれることがありません。ヴァラナシで死を迎え、ガンガーのほとりで火葬され、そして灰がこの河に流されることは、ムクティ(解脱)につながり、生まれ変わり生きる苦しみをもう二度と味わう必要がなくなると信じられています。ゆえに、全インドから死が間近になるとこの町に死ぬためにやってくるのです。

『死ぬことを夢見る人の町』・・この場所のことをうまく言い表せる言葉はあまり見あたらないのですが、火葬に付されるために運ばれてくる華やかに飾られた死者の流れを見つめていると、時間がねじれたような不思議な感覚に包まれていきます。

今回の旅で新しい事実を知りました。以前から疑問だったのですが、家族が火葬されてゆくさまを見ている親族たちが誰一人、泣いていないのです。たまたま近くに座っていたインドの人に「どうしてみんな悲しんで泣かないの?」と聞くと、この場所は幸福に向かって旅立つ場所だから、泣いてはならないことになっているというのです。火葬の現場には女性の姿はありません。これも、「愛する夫が焼かれているのを見て、悲しみのあまり火に飛び込む女性が多かったので、最近は女性を連れてこなくなった」とのこと。

死者も、祈りも、そして悲しみも喜びも、嘘も真実もすべて受け入れてしまうその河に私も身を浸して日本に帰ってきました。

死をいつも考えながら生きられたら、日々の日常はどんなに大切になることでしょうか。都合の悪いことはすぐに忘れやすい私も、また母なるガンガーを思い出すと、「もっと人に優しくなりなさい」と言われているように感じるのです。

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大聖地ヴァラナシ

- 中川信男の多事争論 - 2007年12月発刊 Vol.4

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