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月のテンポで輝く自分へ

【Vol.73】天使がくれた幸せの言葉

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お墓参りで出逢ったおじさま
 みなさん、いつもありがとうございます!
 先日、お墓参りに行ってきました! 父が眠るお墓ではなく、母方の祖父母が眠るお墓です。

 新宿から電車に揺られること数十分。当日はあいにくの雨でしたが、お墓を磨いている間は小雨になってくれて、きっと父が、力を貸してくれたのだろうと、空に向かって感謝。

 お墓参りが無事に終了したとたん、大粒の雨が…タクシーに乗り、駅に戻りました。切符を買い、改札を通ったとき、一人のおじさまが、車いすに乗る母を見て…

「綺麗な顔して!昔は色々と泣かせただろ♪」

 おいおい…おじさま…新手のナンパ!?
  私は母に、「おもしろいおじさまだね~。私を差し置いて、ママに声かけるなんて(笑)」と、からかうつもりで言いました。そうしたら母が…

「そうじゃないよ。あの人は、私を元気づけてくれてるんだよ。今はこうやって車いすに乗ることになったけど、負けずに頑張るんだよって。励ましてくれてるんだよ。あの人なりのやり方でね。いい人だね。」

 私、びっくり…そんなことができるおじさまにも、それを感じ取れる母にも。

おじさまの正体は…
 障がいがあると、身体だけではなく、心がとても敏感になります。本人も、その家族も。

 障がいが出る前は、人一倍元気で動きまわっていたのに、今は自由に歩くこともままならない。痛みとの付き合いが長く、眠れるのもわずかな時間。それでも、自分らしく生きることを決め、父とともに「月のテンポ」を生みだしてくれた母。
 だから、変に「かわいそう」って思われるのを嫌がります。でも、そのおじさまの励ましには、同情とか、そういうものはなくて、温かい何かがいっぱい詰まっていました。そういうのって、感じるものですよね?

 一瞬のことで、そのおじさまの顔は、よく覚えていません。振り返っても、どこに行ったのか、おじさまの姿はありませんでした。でも、何か温かい声と温かい気持ちがふんわり残っていて…
 あ~、障がいがあってもいつも前向きに生きてきて、父がいなくなっても気丈に振舞って、お墓参りも欠かさず来る母に、あちらの世界のどなたかが、ご褒美に天使を派遣してくれたんだなって思いました。その天使は、おじさまの姿をした天使だったけど、今日もどこかで誰かを幸せにしているのだと思います。

 帰りの電車で母は、すごく幸せそうな表情でスヤスヤ眠っていました。そんな母を見て、私も、家族も幸せでした。 ありがとう。おじさま天使さん。いつかきっと、またどこかで…

片岡 由季

片岡由季氏
武蔵野短期大学にて国際教養学科および秘書コースに在籍。
その後、玉川大学英米文学科に編入。
前職はNPO法人日本ケアフィットサービス協会にて「サービス介助士」の育成に携わり、全国の企業研修を担当。
2010年4月より父である片岡慎介氏の後を継ぎ有限会社ビュージックの代表取締役となる。
現在は、断食道場やサロンなどで「月のお話会」を行い、「なりたい自分」「輝く自分」になる為の月のテンポ活用法をお伝えしている。

『つきを呼ぶ音楽』
夜、寝ている間にも、私たちの夢を育んでくれている月の明かり。
人間の体内時計と月の一日は同様であるといわれます。”月のテンポ”は、無限の可能性を持つあなたを思い出させてくれます。

- 月のテンポで輝く自分へ - 2013年10月発刊 Vol.73

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