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ハツキ的“らくなちゅらる”な生き方

常務取締役
室長/管理部長兼

中川 葉月 (なかがわ はつき)

【Vol.77】なゆたのお散歩

投稿日:

05sa_27.jpg  「おかあさん、なんかわらってないね。なんで? なゆたがいないから?」と、長男から聞かれました。どうやらずっと笑っていないお母さんになっていたようです。
 “なゆた” とは、ここにも何度か登場したことのある、豆柴のわが家の愛犬♀です。そのなゆたが、昨年末から行方不明になってしまったのです。年末、滋賀の家にいたときに、比良山からの強い風が明け方吹いており、いつもならばしっかりとロックをしているはずの玄関のゲートが風であいてしまっていました。なゆたはそこからこっそりと、お散歩へ出て行ってしまったようなのです。
 そして、待てど暮らせどなゆたは帰ってこないまま新年を迎えることになってしまいました。なゆたの行きそうなところを探し、警察を始め各所へ迷子犬の連絡を入れていますが、見つからないまま時が過ぎています。
 長男と同じ年に生まれたなゆたでしたので、長男と一緒に育っていったように思います。長男のお昼寝の写真には、ふたりが同じ体勢で眠っています。いつの間にかしっかりと家族の一員になっていました。
 そんななゆたの行方がわからなくなってしまい、新年を迎えるにあたってもおせちを作る気も起きずにいた年末年始でした。豆柴のなゆたはそんなに大きな犬でないために、足も短いです。藪にあるツタに足を絡ませて動けなくなり、わたしに助けを求めていたこともあります。そのため、“どこかで動けなくなってるんじゃないだろうか?” “深いところへ落ちて這い出せないんじゃないだろうか?” と思うばかりで気も滅入ってしまいます。
 いなくなったその日は、シャンプーをしてもらい毛もふかふかで、とてもかわいい赤いリボンをつけていました。あまりにかわいらしいので、翌朝息子が起きたら一緒に写真を撮ろうねとなゆたにいっていたのに……。最後に見たそのかわいらしい姿は、写真に残さなくても、わたしの胸にしっかりと刻まれることになってしまいました。
 もしかしたらどこかで冷たくなっているのかもしれません。でも、わたしは動かないなゆたを受け入れることはできそうもないので、“なゆたは鹿のお家で一緒に暮らしている” と帰ってくるまで思うことにしています(滋賀の家周辺は鹿がとても多いのです)。
 なゆたがいつ帰ってきてもいいように、わたしも今まで通り息子と一緒に笑って待っていようと思います。でも、寂しくて仕方がないのです。帰ってきてね、なゆちゃん。

- ハツキ的“らくなちゅらる”な生き方 - 2014年2月発刊 Vol.77

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