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オルタナティブファーム宮古

自然の恵みいっぱいの宮古島から農業や商品開発するなかで感じたこと気づいたこと

オルタナティブ
ファーム宮古 代表

松本 克也 (まつもと かつや)

自動車メーカーなど14 年の研究職を離れ、2012 年5月に家族4人で宮古島に移住。約1万平米の畑で主に有機サトウキビを栽培し、黒糖蜜やキビ砂糖などの加工品を製造。
畑で黒糖作りが体験できるプログラムも準備中。その他、有機バナナの栽培、未完熟マンゴーの発酵飲料の製造に携わる。

今年の抱負 2/2

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心機一転の宮古島移住と新規就農からはや6年。「光陰矢のごとし」「少年(じゃないけど……苦笑)老い易く学成り難し」が心に染みます。先月に続き、「走りながら考える・考えながら走る」試行錯誤の日々を積み重ねながら着実に歩みを進める、オルタナティブファーム宮古の今年の抱負を語ります。

豊かな生活の循環に近づくこと

宮古島は沖縄県のサトウキビ生産の40%程度を担い、栽培面積・収穫量ともに国内最大の生産地ですが、サトウキビの専業農家は皆無に等しいのが実態です。世界一の生産量を誇るブラジルと日本の間には数百倍の生産量の差があり、埋めがたい価格差があります。サトウキビ一トン当たりの国際価格は五千円、加えて国内農業の保護政策として一万六千円程度の調整金が支給されますが、それでもなお生活が成り立たない状況です。
 
オルタナティブファーム宮古では、サトウキビの付加価値を高めるため、試行錯誤を続けてきました(苦い経験を重ねてきたというのが偽らざる本音です)。畑一反(約千平米)当たりの売上を「反収」といい、宮古島でのサトウキビ栽培は反収十四万円程度です。ここから経費を差し引くと利益はわずかで、大規模栽培でもなかなか生活が成り立たちません。弊社では、栽培~加工、体験型観光を連携して付加価値を高めることで、昨年、反収三百六十万円の実績を作ることができました。
 
まだまだ課題は山積みですが、「生鮮作物としてのサトウキビの本来の美味しさをお届けする」という使命を胸に、高い付加価値をもつサービス・品質を提供し、お客様と生産者が共に豊かさを享受できる持続可能な事業の実績を作ることを目指します。

そのままかけるだけで風味豊かなバタートーストに。宮古島産有機サトウキビからジュースを絞り、灰汁を取りながら丁寧に炊き上げた黒糖蜜。バタートーストにそのままかけて、風味豊かにまったりとした深い味わいが楽しめます。

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今年の抱負 2/2

- オルタナティブファーム宮古 - 2020年2月発刊 vol.149

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