最近、自分で練習している自己肯定の方法と、その気づきをシェアしたいと思います。
診察をしていると、「忙しくて休む暇がない」「自分の時間がない」という方が、とても多いと感じています。もっと手を抜く、無理をしない、疲れたら休むように、とアドバイスをしていますが、なかなかアドバイス通りにはできません。
母の価値観をコピーしている
できない理由は「ちゃんとする」「がんばる」が、当たり前になっているから。その当たり前をなんとか崩そうと、考え方を変えるお手伝いをしています。手を抜けない、無理をしてしまう、疲れても休めない理由とは? たどり着いた結論は、母親の価値観を脳にコピー(orインストール)しているから!ということです。
とくに女の子は、母親をお手本にして、母親の教え通り生きよう、と思う方が多いようです(母親があまり子育てをしてくれなかったという場合は、母親と真逆になるようにコピーをします)。男の子でも、気を使うことができる子は、母親の価値観に合わせようとする(合わせることができる)場合があります。反抗期にその価値観を壊すことができないと、その価値観を基準に自分自身を評価・批判をするようになります。
理想と現状の自分を比べて、そのギャップを感じ、「まだまだできていない」「もっとがんばらないと」「このままではいけない」と自己否定をしています。これは自分の視点が、左下の図の①にあるからです。ここが母親の視点=母親の価値観です。この視点で自分を見て裁いてしまっています。そこで「もっとがんばって、ちゃんとする」を続けて、理想に近づこうとするのですが、たとえ自分の能力が上がって理想に近づいたと思っても、理想の方もさらに上に移動してしまいます。がんばってもがんばっても、いつまでも満足することはありません。
本来、自分の等身大で自分を見ること(図の②)ができれば、ちょうどよいはずです。ただ①が完全に刷り込まれているので、ちょっとやそっとでは考えを変えることができません。考え方をひっくり返すためには、③の視点で自分を見ることができるようになりたいのです。
③の視点を言葉で表すと、「生きていればオッケー」という価値観です。魔法の言葉としては「ダメダメな私でもいい!」「ダメダメな私でも大丈夫!」と、繰り返し心の中で言いましょう。自分でやってみて感じたのは、意識していないと、すぐに①の視点に戻るということです。気分がよくない、ため息が出るようなときは、①の状態なので、魔法の言葉を言って③に戻るよう一日中意識しましょう。
自由であることに気づく
これができるようになると、母親の価値観を捨てることができます。母がよいといったことのなかに、私の嫌いがあったことに気づきます。母がダメだといったことのなかに、自分の好きがあったことに気づきます。
そこからが私の人生の始まりです。私は自由だったと気づくことができます。生きているだけで価値があるという意味がわかります。自己否定や罪悪感は必要ないとわかります。正しい方より好きな方(楽しい方)を選ぶことができるようになります。日々苦しさ、生きづらさを感じている方は、ぜひこの魔法の言葉を言い続けてみてください。