パパも産休が取れる!
4月からの改正育児・介護休業法の段階的施行を受け、生まれる前の子をもつ父親(プレパパ)にできることを書いています。先月は、プレパパができることについて、家事・育児でいうと、家事に分類されるところを3つのポイントから書きました。今月は、産後育児の準備期間に、プレパパに必要な事務事項について書きます。
さて、プレパパのあなたは、自分は産休が取れるようになる、ということを自覚しているでしょうか。産む人が産休を取れるのは当たり前ですよね。一方で、産まない人には育休はあっても産休はなかったのですが、この10月からは「産後パパ育休」という名の「産休」が取れるようになります。
わざわざ「産休が取れる」というだけの内容の変更があります。もともと女性にとっては産休と育休は別に取るものなのですが、産後パパ育休も、育休とは別に取れるものになります。
従来のパパの育休は、原則1カ月前までに知らせる必要があり、原則分けて取れませんでした。第一子の妊婦さん、そしてプレパパはご存じないかもしれませんが、出産予定日と実際の出産日は、一致しないのが普通なのに、1カ月前までに連続した長期休みを決めるのは、けっこうなハードルだったと思います。
10月からは、そこがもっと取りやすくなります。パパの産休にあたる部分は「原則休業の2週間前まで」に申し出ればいい。子どもがどれくらい下りてきているかという実際を確認しながら、もう少し休業時期を測れることになります。
また、「産休」を分割して2回取れるようになります。しかも合意がある場合、間に就業することも可能です。これはものすごく、パパの産休のハードルを下げるだろうと思いますね。もちろん無理に就業しなくてもいいけど、間に半日でも働けるなら休みを取りやすい、という人はいると思います。
同じくパパの育休も、分割して取ることができるようになりますよ。こちらは1カ月前には知らせる必要があるようですが、開始時期が両親の都合に合わせやすく、自由度が上がる分、子育てしやすくなるはずです。
情報格差を埋めないと
問題は、組織によってそれが違う可能性がある、ということです。「労使協定」次第で、これまでより格段に自由な運用で楽ができるか、そこまででもないかが変わってくるんですね。このあたり、実は女性と男性の情報格差がもともとあり、男性は、ただでさえ新生児を迎える自覚が薄いうえに、組織のフォローが甘いことが多いのです。産休・育休を取れる立場にあるプレママだったら、妊娠が公表された時点で組織内のフローは用意されていて、面倒ではあっても、あるものに乗っかれば済む面があるのですが、もともとプレパパには、そのあたりの情報が足りないんですね。だから、産休取ろうと思ったけど間に合わなかったわ~みたいな話もよく聞きます。
今プレパパであるあなたは、その組織で、産後パパ育休を、初めて利用しようとする人かもしれません。「取るだけ育休」でなく、ちゃんと産後をともに過ごす意思のあるパパなら、ママも間違いなく、一緒にいてほしい。今すぐ労使協定の確認に動き、持てる権利を利用できる環境を整えてください。人生がバージョンアップする、人間の伸び代が一番高い時期のわが子をリアルに毎日目撃できるすごい機会ですから。あらゆる交渉をするだけの価値がありますよ!