毎晩お酒ばかり飲んでしまいます。いい加減やめたいと思っていたところ、ギャバがいいと耳にしました。ギャバとは一体なんでしょうか?(子どもの受験で疲弊している40代主婦)
A.ストレスの影響を緩和する元気の素
答える人 プレマ株式会社 お客様コンサルティングセクション 岸江 治次
毎日なんの悩みもなくハッピーに過ごしているという方はいますか? なかなか難しいですよね。騒音や異常気象などの環境的な悩み、病気や怪我、不眠など体に関する悩み、人間関係の悩み、不安な思いや心配ごとを抱えているなどの心理的な悩みがストレスになります。
身心一如といって、心と体は一体のもの。だからストレスを過度に受け続けると体にも支障が出てきます。「ストレスがすべての病気の原因でもある」と言う医者もいるくらい、現代はストレスが大きな問題になっています。そして、近年研究が進み、ストレスに対して効果のある成分がわかってきました。そのひとつが「ギャバ」です。
ギャバ(GABA)はγ(ガンマ)-アミノ酪酸の略称です。体にとって多くの効能があるとして、最近はギャバ入りの食べ物やサプリメントが売られています。しかし、ギャバはもともと私たちの体内で生成できるもの。体内でアミノ酸の一種として存在し、ストレスが過度にかかったときにストレスの影響を緩和するために働く成分です。
人間の生理機能をコントロールしているのは自律神経です。自律神経がきちんと働いているから、意識しなくても心臓が動いたり、食べ物を消化したりできているのです。しかし、ストレスが過度にかかると自律神経のバランスが崩れてしまいます。すると、体の調子が良くなくなり、それが続くと病気になることもあります。よく眠れない、疲れやすいといった不調は、ほとんどが自律神経のバランスの崩れによるものです。
自律神経は、体の動きを活発にする交感神経と体をリラックスさせる副交感神経から成り立っています。車で例えると、交感神経がアクセルで副交感神経がブレーキの役割です。交感神経が優位なときは、車が猛スピードで走っているようなもの。なにかにぶつかりそうになったとき、ブレーキが効かない車だと思ったら恐ろしいですよね。だから、交感神経と副交感神経のバランスがとれている状態、つまり、自律神経がうまく働くようにすることが健康に過ごすためには一番大事。ギャバは、ストレスが多く交感神経が優位になりがちな現代人にとって、副交感神経の働きを高めて自律神経のバランスを整えるためには欠かせません。
普段はギャバを摂らなくても体内にある分で事足ります。しかし大きなストレスがかかると、それに対応するために体内でギャバが大量に消費されてなくなってしまうので積極的に摂るようにするとよいでしょう。ギャバは自然のなかにもたくさんあり、昔の人は食事でギャバを補ってきました。なにを食べていたかというと、有名なのが「玄米」。とくに玄米を発芽させた「発芽玄米」はギャバの含有量が多いことがわかっています。ほかにもトマトやナス、パプリカ、納豆や漬物などの発酵食品など。これらを食べることによって、体内で減ってしまったギャバを補うことができます。
ギャバを適度に摂っていると、ストレスを緩和する、血圧を抑制する、よく眠れるようになる、代謝が上がる、中性脂肪にも効果があるといわれています。とくに、過度にストレスを抱えていると感じている方は、ギャバが含まれるものを積極的に食べたり、ギャバのサプリメントを摂るようにしてみてはいかがでしょうか。