「病気」は治るものだという確信が私にはあります。治るのを邪魔する原因を取り除けば、体は自動的に治癒力を発揮して、健康になれるようになっています。その原因は、感染、化学物質汚染、金属汚染、電磁波汚染、精神的ストレスの５つに集約されるといえます。現代の生活は、さまざまな汚染が複雑に絡み合っています。病気にならないほうがおかしいくらい大変な状況です。そんな状況でもこの世界には元気に活躍している人たちが必ずいます。なにが違うのでしょうか？　元気に活躍している人たちに共通するのは、やりたいことを楽しんでいるところです。やりたいことが思う存分できると、エネルギーが湧いてきて、もっとやりたいという意欲が生まれます。そのエネルギーは生きる力です。治癒力でもあります。

一方、心のエネルギーを強烈に奪う思考パターンが主に５つあります。我慢、自己否定、比較、罪悪感、後悔です。「我慢」には、やりたいことをやらない我慢、やりたくないことをがんばる我慢があります。患者さんには、「やりたいこと、やってますか？」とよく確認します。「やりたいことがわかりません」という方も多いですが、「まず一番嫌なことをやめてみましょう」とアドバイスします。好きなこと、嫌いなことがわからなくなっている人は「◯◯であるべき」「ちゃんと・正しく」という信念を強く持っています。人として正しくあるということは、尊いことですが、動物としての心地よさを犠牲にしています。生きる力は、動物としての本能とリンクしています。イヌやネコは具合が悪いとき、怪我をしたとき、ひたすらじっと動かずエネルギーの100％を治るために使います。人間、特に、日本人は、休まずにがんばろうとしてしまいます。病気が治りにくい原因の一つです。自由に振る舞うネコを見習ってみましょう。また「やらなきゃいけないこと」も、本当はやりたくないこと。やるのが当たり前になっていることも、本当は好きじゃないならやめてみましょう。いきなりやめるのが難しい場合、少しでもエネルギーを消耗せずに済ませられないか、知恵をしぼりましょう。

自分にバツをつけていませんか？

「自己否定」は一番エネルギーを奪う思考パターンです。自分で自分を裁いてしまっています。自分に寄り添う練習をしましょう。次々に頭に浮かんでくる思考や感情に気づくことができていますか？　多くの場合、大変だ！　どうしよう！と思考や感情に飲み込まれているものです。「〜と、今考えていたなぁ」と思える状態をメタ認知、メタ思考といいますが、少し客観的、冷静な状態です。自分の思考や感情に気づいたら「そうだよね、そう思うよね、わかる〜」と自分自身に言ってあげましょう。「あいつ消えればいいのに」と思ったら、その言葉を打ち消そうとせず「そうだよね、消えればいいのにと思うよね、わかる～」と言ってあげてください。さらに「『私は全然悪くないしダメじゃない』と一日一万回唱えましょう」と患者さんにお勧めしています。自分を責める思考をするヒマを頭に与えないためにも、時間があるときは唱え続けてみましょう。

「比較」もエネルギーを奪います。他人と比較して自分がダメだと感じた瞬間、やる気が凹んでしまいます。他人は他人、自分は自分。比較はしないと決めましょう。お母さんがよその子を「◯◯ちゃんはできてるよ」「◯◯ちゃんはすごいね」などと言ったときから、その子にとって比較の呪いが始まります。お母さんには我が子を否定する気持ちはなかったとしても、子どもにとっては、自分はダメだと感じる言葉です。「自分のいいところも悪いところも全部あって自分なんだなあ。短所は見方を変えれば長所にできる！」と自分に言い聞かせてあげましょう。次回、罪悪感と後悔についてお話しします。