赤ちゃんが欲しいので妊活をしようと思います。具体的にはなにをすればよいのでしょうか?(子どもは3人は欲しい20代女性)
A.本来の生き物としての人間に立ち返ってみて
答える人 プレマ株式会社 お客様コンサルティングセクション 岸江 治次
すべての生き物は誕生したと同時に子孫を繁栄させるという宿命を負っています。だから生物としての人間も、男女がめぐり逢い、惹かれあって結ばれると自然に妊娠するというのが本来の姿です。ところが最近、妊娠しづらい方が増えてきて「妊活」ということが言われるようになってきました。「妊活」というとなにか特別なことのように思いがちですが、難しく考える必要はなく、生き物としての本源を踏み外さないでいれば、なんの心配もありません。ただし、現代は世の中のさまざまな変化、環境の変化によって妊娠しづらくなる要因が増えているので、まずはそれらをわかっておく必要があります。
妊娠しづらくなっている一番大きな要因はストレスです。現代は仕事や人間関係、生活リズムの乱れ、温暖化、電磁波など、さまざまなストレスを受けやすい環境です。また、これらのストレスを解消するためにインターネットや携帯に依存してしまう人が増え、これも人間本来の力を弱めてしまうといわれています。
人間はストレスを受けると脳の視床下部に影響が出て、女性は卵巣に指令が届きにくくなって妊娠しづらくなることがわかっています。女性は子宮と卵巣を持ち、お腹の中で命を育むというすごいことを成し遂げるという意味では特別ですが、妊娠しづらいのは女性だけに原因があるわけではありません。男性は、ストレス過多によって1回射精したときの精子の数が減ることがわかっています。若い男性であれば昔なら2億個ほどあったのが今は1億5000個くらいで、ひどいときは1億個を切ることもあります。そうなると妊娠そのものが難しくなるといわれ、数の減少だけでなく精子の尾っぽが切れているなど本来の精子の力がない男性が増えていることも妊娠しづらい原因のひとつです。また、生物には「ホメオスタシス(生体恒常性)」が備わっており、体の働きを調節する「自律神経系」、ホルモン分泌を司る「内分泌系」、外敵から身を守る「免疫系」によって、自分で自分の体を環境に適応させ、安定させることができますが、現代はストレス過多によってこのバランスを崩している人が多く、これも妊娠しづらい原因のひとつです。
しかし、ストレスを完全に避けるのは不可能なので、普段からストレスに負けない体をつくることが大事。それはごく当たり前のことですが、規則正しい生活をすることです。食事をきちんと食べて、夜はしっかり眠り、適度な運動を意識して生活しましょう。また、体の冷えもよくないのでゆっくり入浴して体を温めること、体を冷やす食べ物は避けること。これらを意識して生活すれば、自然とホメオスタシスは整います。
また、妊娠時には葉酸が必須とよくいわれます。葉酸はお腹の中で赤ちゃんが成長するときに必要な栄養素ですが、これも無理して摂る必要はなく、豚や牛のレバー、マンゴー、ざくろ、ほうれん草、ブロッコリー、大豆、えんどう豆、そら豆、納豆、かぼちゃなど、いろんな食べ物に含まれているので、普通の食生活をしていれば充分に補えます。
妊活に限りませんが、調子が悪いと感じるときは本来の生き物としての人間に立ち返ることが大切。規則正しい生活を心がけ、ストレスに負けない体づくりを意識しましょう。