前回はスキンケアについてお話しいたしましたが、ふれて良いものか悩んで結局ふれずにいたことがあります。
アトピーに向き合うとき、避けては通れない問題“ステロイド”についてです。使わずにいられるのなら、それに越したことはありません。
その考えに異論はありませんし、ステロイドがより問題を複雑にすることは、わたしも身をもって体験してきました。
ですが、使わないことによって、周囲の理解を得られず、自分が閉じた状態になってしまったとしたら、それは良いことだとは思えないのです。
まして、我が子に起こったことだったとしたらそれはどうでしょうか。自分のことならがまんもできるけど、と悩む気持ちは察するにあまりあります。
ステロイドを使わないという真っ当な選択をしたことで、病院では責められ、両親からは哀れな目を向けられ、周囲からは異質な存在として写り…こうした事は今も決して特別なことではないと思います。
自分から壁をつくってしまうよりは、必要悪として認める余裕を持っても良いのではないかと思います。
実はわたしもお盆までに回復しなければステロイドに頼ろうと密かに決意していました。
お盆の帰省に、両親にこの姿を見せたくなかったこともありますが、期間を区切らなければ、その状況に耐えきれなかったからでもありました。
お盆の直前、運良くだるま湯と出会いステロイドを使わずに済みましたが、最後の選択を残しておくことで、自分の状況を冷静に見つめることができたのかもしれません。
ステロイドで治すという考えではありません。ステロイドでコントロールしようということでもなく、あくまでも、わたしの個人的な考えですが、アトピーに向き合う自分の状態を整えるための最終手段として、ということです。
ステロイドは麻薬のようなものです。結果としてより苦しみを増幅させることにもなりかねません。薬を絶とうとした時、あの素晴らしい効き目は恨めしい以外の何物でもありません。
手を出すか否か、その功罪を天秤にかけて慎重に判断し、もし使うのであれば、手放すときを常に考えることが必要だと思います。
坂井 歩
プレマ株式会社 経営企画室 坂井 歩 ちょっと、どこかにハマルとおかしな方向にのめり込む典型的なB型のサラブレッドです。お仕事している間はB型の血をできるだけ出さないように冷静に対処している……つもりです。 家ではこれまた強烈なB型一家。 みんなやりたい放題好き勝手、自分が一番まともだと思っているまとまりの付かない家族を日々ネタにしながら頑張っています! |