湯の花温泉を発見してから、遠くて高名な温泉よりも、近くの温泉を探すようになりました。京都、とくに京都市内には温泉地のイメージはありませんが、探せば小さな温泉が湧出していました。
温泉を探す際、目安になったのは泉質ですが、湯の花と同じラジウム泉を見つけて試してみたのはちょっとした失敗でした。ラジウムの放出量としては、玉川温泉とならぶ温泉ということで娘とふたり日曜日にある温泉を訪ねました。 マニアックさではだるま湯に劣らない感じの店構えで、隣に神社もあり、“おたすけ水”として温泉水が飲めるようにもなっていました。いわゆる病気の治る温泉として薬効を謳うというよりすこし宗教的なにおいも感じ、逃げるようにお風呂に入りました。
肝心の温泉はあまり特徴を感じず、正直なところよく分かりませんでした。温泉水を口にすると、おいしい水には違いないのでしょうがどこかトゲを感じるような、ひっかかりがありました。
京都市内とはいえ、電車とバスを乗り継いでやっと辿りついただけに、欲張って半日ほど滞在し、3回お湯に浸かりましたが、これがいけなかったようです。帰りのバスの中、わたしも娘も膝の裏や首の後ろが赤くなり始め、家に着くや慌てて自宅の温泉に飛び込んだのでした。
湯の花よりも薬効の高い温泉を、という気持ちがどこかにありました。通っていた皮膚科では、自分に合うかそうでないかは自分の直感を信じるようにと諭されましたが、感覚で嗅ぎ分ける以上の判断はないのかもしれません。
効果のある温泉には個人差もあるのでしょうが、いちばん外せないポイントは、源泉掛け流しだと思っています。温泉も限りある資源ですので、循環ろ過式を否定する訳ではありませんが、こと治療という目的でみた場合、掛け流しを選ぶべきだと思います。
自宅温泉の湯の花でも、一番風呂と次のお風呂では肌あたりがまったく違うことを考えても、沸きたてのお湯には地球のエネルギーが詰まっているように感じます。考えてみればこれも真土不二、切り離せない温泉が近くに沸いていてわたしを呼んでくれていたのです。
坂井 歩
プレマ株式会社 経営企画室 坂井 歩 ちょっと、どこかにハマルとおかしな方向にのめり込む典型的なB型のサラブレッドです。お仕事している間はB型の血をできるだけ出さないように冷静に対処している……つもりです。 家ではこれまた強烈なB型一家。 みんなやりたい放題好き勝手、自分が一番まともだと思っているまとまりの付かない家族を日々ネタにしながら頑張っています! |