これまでお湯に浸かるという面から、温泉についてお話ししてきましたが、今回は飲泉―温泉を飲むことにふれてみたいと思います。
飲用の許可を受けた温泉は各地にあって、ゆの里やだるま湯なども温泉水を飲むことができました。
日本では飲泉は民間療法というより、個人の趣向に近いように感じますが、ヨーロッパでは医師が温泉治療を学ぶことは必須とされ、治療として確立されているといわれます。ドイツに“温泉を飲むことは野菜をたべることと同じ”という言葉があるそうで、健康法として身近であることが窺えます。
ゆの里で「月のしずく」を飲みながら、お湯に浸かっていたので、わたし達家族にとっては、温泉水を飲むことは自然な流れでした。その中でとくに印象的だったのはだるま湯の温泉水で、金臭いというか、ツンと鼻につく匂いがありました。ちょうど、アトピーの状態が酷いということもあり、必死になって温泉水を飲んでいた時期でもありました。
だるま湯の効能のひとつに、慢性便秘がありましたが、主人は飲んだ翌日、わたしは翌々日に、なんとも言えない爽快感を感じることができました。アトピーが悪化し始める少し前から、腸の動きがなくなっていましたが、一気に解消されたのでした。ただ残念なことに、この効果は長続きはしませんでした。
温泉の金臭さは1週間も経つと薄れていって、飲みやすくはなりますが、“効いている”感じも減っていきました。こういった変化を温泉の老化とも言うようですが、やはり入浴と同様、温泉は湧いてすぐに越したことはないようです。
湯の花温泉を飲用として使ってみよう、と思い立ったのは、新鮮な温泉水が入手しやすいという理由でした。
湯の花温泉は飲める温泉ではありません。温泉スタンドも、飲料水ではないことを明記しています。
きっかけは、お風呂に入ると息子がおいしそうにごくごく飲んだこと、止めても目を離したすきにがぶ飲みし、それも、お湯を新しく替えたばかりのお湯に限って喜んで飲むのでした。
わたし達は自分たちの責任で飲み水として使うことにしました。だるま湯以上においしくないお水でしたが、水道水より温泉水の方が活きたお水に感じました。
ところで飲泉する際、1日の量や泉質による禁忌などがあります。通常では小さな子どもが飲泉することは止められたりしますので、温泉を飲む場合は充分注意して飲んでいただければと思います。
坂井 歩
プレマ株式会社 経営企画室 坂井 歩 ちょっと、どこかにハマルとおかしな方向にのめり込む典型的なB型のサラブレッドです。お仕事している間はB型の血をできるだけ出さないように冷静に対処している……つもりです。 家ではこれまた強烈なB型一家。 みんなやりたい放題好き勝手、自分が一番まともだと思っているまとまりの付かない家族を日々ネタにしながら頑張っています! |