今月は、この秋の「実り」をふんだんに盛り込んだ炊き込みご飯のレシピを紹介します。ひとつは秋の代表的な味覚、キノコ。もうひとつは今秋新発売の「スペルト醤」。香ばしい風味が食欲をそそります。
<材料> 4人分
・白米…2合(洗ってザルにあげておく)
・水…420cc
・きのこ(舞茸・しめじ)…200g
・生姜…1片(5mm角切)
・菜種油…小さじ1~2
・スペルト醤…大さじ2
・ひよこ豆水煮…約50g
・スペルト小麦粒水煮※…約50g
・スペルト醤(仕上げ用)…小さじ2
<つくり方>所要時間15分
(1)きのこ・生姜・菜種油をフライパンに入れ、蓋をして中火で約5分蒸し焼きに。蓋を開けてスペルト醤を加え、水分がほぼなくなるまで炒り合わせ冷ましておく。
(2)炊飯器に米・分量の水・(1)・ひよこ豆・スペルト小麦粒水煮を加えて炊く。
(3)炊き上がったら、仕上げ用のスペルト醤を回し入れ、よく混ぜ合わせて完成。
*スペルト醤は、旨味と香りが深いので炊き込み用と仕上げ用の2段階で仕込むのがコツ。
※スペルト小麦のゆで方
(1)たっぷりの水で洗い浮かんだゴミや籾殻を取る(2)2倍の水で12~24時間浸水 (3)圧力鍋に入れ、たっぷりの水を加えて中火にかけ、圧が上がったら15分加圧。火をとめて圧が下がったら蓋をあけ、ザルに上げて冷ます。冷めたら小分けして保存(冷蔵庫3日・冷凍可能)。ゆで汁にもミネラルがいっぱい。捨てずにスープや味噌汁に。
この秋、スペルト小麦の新たな展開!
スペルト小麦との出逢いは、2016年『らくなちゅらる通信 Vol.105』掲載レシピにプレマシャンティのスペルト小麦粒を使わせていただいたことから。米と比べ粒が大きく驚き、『どうやって食べるんだ?』と疑問。幸い瑞穂の国で育った人間です。まずは玄米同様炊いて食べてみました。香ばしく食感が楽しい。さらには消化が早い。驚きとともにスペルト小麦の可能性にメラメラと希望を燃やし始めたのです。
これだっ。
人の手による品種改良なし。栽培された土地ごとの個性が色濃く出る性質。原種小麦の遺伝子を受け継ぎ自然交配を重ねたその歴史は、3000年とも6000年ともいわれています。時代ごと『種』を守ったヨーロッパの人々は今、アジア人の手で米と調理されているだなんて腰を抜かしてることでしょう。
食べることは農産物が育った土地と胃袋がつながることです。胃袋は世界と私たちをつないでくれ、そしてひとつだと教えてくれています。
私の古代小麦探究はここから始まりました。主宰するNeoベジタリアン料理ディプロマコースでは、日本で唯一『スペルト小麦粒』を使った料理をカリキュラムしています。現在、国内で初めてスペルト小麦生産に成功された滋賀県の廣瀬敬一郎さんがその秘訣を公開されたことからたくさんの生産者さんが誕生し、北海道では廣瀬さんとはまったく別の流れから大規模生産も始まりました。
そして今月ご紹介するのはスペルト小麦で作った「醤」です。
3年前、燃えてる私は有機白醤油の七福醸造さんにスペルト小麦の存在を知っていただき、スペルト醤油の醸造をお願いしました。
ヨーロッパのスペルト小麦と日本の醸造技術の融合は世界初の試みです。その特殊性から数々の苦難を超え成功。この秋、プレマさんのご支援で流通・発売がスタートしました。
皆さん、この革新のチャレンジ結果をぜひ確かめてください。そして世界初となる味覚の冒険に一緒に繰り出しましょう!