満天の星空が見たい。それがテントを買ったきっかけ。それまでも年に1回海辺にキャンプに行って、テントはその場でレンタルしていた。たくさんの星が見たいと思って、見つけたキャンプ場では、残念ながらレンタルがなかった。
他でレンタルして持って行くこともできたけれど、返却や返送も手間だし、購入して元がとれるほど、今後キャンプに行くのだろうかと考え、悩んでいた。
キャンプ場にはおしゃれな人たちが多い。そんななか、私たちのカセットコンロは壊れかけで、テーブルや椅子もなかった。カセットコンロのケースをテーブルに見立て、地面に座った。まわりの人の目には「最低限使えそうなものを持って来た」と映っていただろう。
結局、春・夏・秋、年3回くらいはキャンプに行こう!と、思い切ってテントを購入した。
行ってみたかったキャンプ場は、冬はスキー場として営業する。夏、実際に行ってみると、平らな場所が少なかった。場所取りがうまくできないと、斜めにテントを張ることになる。「ちゃんと寝れるんだろうか」と思うほどの角度で、テントを張る人もいてびっくりした。
沢の水を引いたプールで遊んだ。ウエットスーツを着た人がスキー姿で滑って来てジャンプ、プールにジャポン。思わず、かっこいいの声が出る。それを見ながら子ども用の小さな滑り台で、こどもと一緒にそりにのって、プールにぽちゃ! 水は冷たくいけど、楽しい。
次は青々とした山を見ながらご飯。夜は星空ハイキングで、リフトに乗って山へ登っていく。解説を聞きながら、満天の星空を眺める。横になりながら普段見られないたくさんの星々を見るのは、すごく気持ちがよかった。この原稿を書きながら「ああ~、またたくさんの星空を見たいな」と思う。
今年は一度もキャンプに行っていない。新型コロナウイルスの影響でキャンプ場が人気とニュースで知ったけれど、万が一を考えて控えた。よかったなと思うのは、キャンプグッズが防災用品を兼ねていることだ。
2018年の台風21号の被害で、わが家は雨漏りし、同じ小学校区内の別の町内は停電した。すぐ近くの電信柱にはブルーシートやトタンがひっかかり怖い思いもした。ランタンやマットなどちょっとずつ買いそろえたキャンプ用品がいざというとき役立つと助かる。
そして中学生になった娘も「キャンプ行きたい~」と言う。親と出かけるのを嫌がりはじめる年頃だけど、共通の楽しみを持てたのはよかった。やっぱりそろそろ、キャンプに行こうかな。
お客様サポートチーム
村上 紀子
(むらかみ のりこ)
寒がりだけれど、冬でも畳に素足が好き。お茶を日に何杯も飲みながら、まったりとする時間もいとおしい。そんなときは、庭を横切る猫や、庭木に止まる蝶や鳥を見て和んでいます。