「ケーキ屋さんになりたい」
長女がそう言い始めたのは、保育園の年中のころ。
よくある「大きくなったら何になりたい?」の答えで、女の子はケーキ屋さんやお花屋さん、男の子はサッカー選手やパイロットが定番のもの。
ちなみに私もお花屋さんでした。
長女も例にもれず定番の答えだったからというのと、子供のころの夢って本当に夢で終わってしまうものと思い込んでいる大人の悲しい性もあいまって、次女の「ラプンツェルになりたい」という夢と同じような感じで受け止めていました。
去年のこと。
長女の2分の1成人式(10歳)の授業参観で、将来の夢を発表することになりました。
キラーズ(長女によるとキラキラしておしゃれな女の子たち。長女は地味ーズ。
笑)の子は「スタイリスト」「ネイリスト」など、夢もキラキラでおしゃれ系ばっかり。
そして、いよいよ長女の順番。
「私の夢はパティシェになることです」
(あ、ちょっと言い方かっこよくなってる。
でもやっぱり地味ーズやなぁ)と苦笑しながら聞いていたのですが、
「私は卵と牛乳のアレルギーがあります。
小さいころはアレルギーがひどかったので、誕生日も卵と牛乳を使っていないケーキでした。
そのときは、これが普通だと思っていたけど、今、普通のケーキを食べられるようになって思うのは、あのころ食べていたアレルギー対応のケーキは、全然おいしくなかったということです。
私はアレルギーがある子どもにも、おいしいケーキを食べさせてあげたいです。
そういうケーキを作れるパティシェになりたいです」
(えっ、キラーズの子の夢よりキラキラしてるやん!)くらべるものではありませんが、正直そう思いました。
アレルギーがあると本当に大変で、いいことは堂々と牛乳を飲まなくてすむことぐらいだと思っていたけど、こんなふうに心の成長を促してくれるのならアレルギーも捨てたもんじゃありませんね。
そういえば身近に、長女の思い描く夢を、ジェラートという形で体現している方がいる。
これってなんかすごい。
運命とか信じてないけど、巡り合わせっていうのかな。
何だか現実的に思えてくるんですよね。
長女は競技かるたのクイーンになるという夢も語っているので、これからどうなるかわかりませんが、見守っていきたいと思います。
かるたクイーンが作るアレルギー対応のケーキ、とかイイかも?な~んて、母の妄想は膨らむばかりです。
プロモーションセクション
上ヶ谷 友理(うえがたにゆり)
2014年入社。受注チームからスタートして、現在は商品の魅力を伝える仕事をしています。11歳と7歳の娘たちと愛犬あずきと暮らすシングルマザー。マイブームは脱出ゲーム。今一番やりたいことは断捨離。