プレマシャンティ®から、粉末タイプのスペルト小麦「谷本さんのディンケル小麦粉」が発売されました。島根の豊かな自然のなかで育った希少な小麦の力強い味わいを楽しむために、今月は手軽に作れるクイックブレッドのレシピをご紹介します。
<材料> 作りやすい量
———A———
・谷本さんのディンケル小麦粉…200g
・国産有機黒糖(粉末)…大さじ2
・アルミフリーベーキングパウダー…小さじ2
・干した果実 バーベリー…20g
———B———
・低温製法 海水塩…小さじ1/2
・豆乳ヨーグルト…200~250g
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・ごま油きよら(太白)…大さじ1
※好みで省いてもOK
<つくり方>調理時間:30分
・オーブンを190℃で予熱しておく
・(A)、(B)をそれぞれ混ぜ合わせておく
①ボウルに(A)と(B)、ごま油を入れて、粉っぽさが消えるまでスパチュラでさっくり混ぜ合わせる
②オーブンシートを敷いた天板に①の生地を移す。水で濡らした手で好みの形状に成形して、190℃のオーブンで約20分、色よくこんがり焼き上げて完成。
*スチーム焼にするとふっくら仕上がります
留まらず根ざす種
栄養豊富なスーパーフード『古代小麦』。なかでも世界的に注目されているのがパン小麦である『ディンケル小麦(スペルト小麦)』です。
原種の遺伝子を受け継ぎ、緑の革命以前から現在も品種改良されていない小麦(ヘリテージ小麦)の存在とその魅力は日本でも拡がりつつあります。国内では滋賀の大地堂・廣瀬敬一郎さんが、ドイツから正規で種を入手して独自栽培に成功。製粉までのノウハウを公開していることが、ディンケル小麦ムーブメントを支えています。
特筆すべきは、プレマシャンティシリーズでいち早くスペルト小麦『粒』がラインナップされていたこと!! かれこれ6年以上前からです。『粒』の美味しさに魅せられた私は「『粉』があればディンケル小麦パン・焼き菓子が作れる!」と『粉』をリクエスト続けていたのですが、「いくらエリコさんの頼みでも粉にはできない。わざわざ酸化させるのはNG 」と、きっぱり断られていました~(笑)。
当然、『粒』が有用で素晴らしい完全体であるのですから、異論があるはずもなく……。しかし国産なら地産地消でフードチェーンも短いわけです。いつか国産ディンケル粉がプレマシャンティの仲間に……と、夢に見るくらい待ち望んでいました。今月は夢が叶った記念♡ 島根・谷本さんのディンケル小麦で、イースト発酵なしで簡単に作れるクイックブレッドを紹介します。谷本さんのディンケル小麦粉ならではの個性と風味がダイレクトに楽しめます。お使いの小麦粉と比較してみてくださいね。
現在、国内外のディンケル栽培は2極化しているといわれています。大量生産を必須とするものと、収量は見込めなくとも種(土)を守りぬいているもの。
両者栽培方法の違いは読者の皆様ならお分かりかと思います。ディンケルは日本を故郷とする小麦ではありませんが、『作り手』の研究と熱意により、気候のまったく違う環境下でも土地に根ざして、新たな特色を持って継承されゆくのだと思います。
料理家の仕事は、このストーリーをレシピに乗せて『翻訳』すること。地球上の伝統的な食材の源流を壊さず、創造的にチャレンジし継承に貢献してゆきたい!!