厳しく、妥協がなく、しかし優しさに満ちた市川式お手当て。
生きる決意をした人々を全身全霊で支える市川加代子先生のあふれ出る愛の源を全七回連載でご紹介します。
シリーズ2
-毎日の食事が人生を、そして世界を変える-
【第一回】子どもの病気を通じて得た学びの機会
三人目の子どもを幼くして亡くした上に、未熟児で生まれた二番目の子もずっと病弱で命にかかわる病をわずらっていた。トップレベルの小児科の先生にかかっていたが、症状が悪化して、診てもらうたびに処方される薬がどんどんきつくなっていく。三十数年前にそんな経験をした。
先生はただ、
「大丈夫だから。よくなっていくに違いないから。不安を持たずにあわてないで。」と慰めるばかりで、具体的に親として何を心がければいいのかを教えてはくれない。
「日常の心がけを聞かせてください。」と何度聞いても、「大丈夫。任せておけばいいから。」の一点張り。
診察の後、看護婦さんにお薬について尋ねると、「だんだん強くなっている」という返事。その瞬間、医者や薬、医療の限界を見た気がした。そしてそれが、自然療法を根本的に学ぶ大きなきっかけになった。
裸療法や乾布摩擦など体を鍛えるためのあらゆることを試してみると同時に、症状が悪化するのはどんな時か、子どもの状態をつぶさに観察した。どうやら乳製品を摂ると心臓の状態が悪くなり、アレルギーも喘息も出てくるらしい。家族がこっそりチョコレートを食べさせるとその夜は症状がひどくなる。どうやら食べ物に深い関係があるのではと疑い始めた。
その気づきをきっかけに、「体のすみずみの細胞にまでビタミンやミネラルがしっかり運ばれて初めて元気になれる」という分子矯正栄養学の側面から、食物について深く学び始めた。そしてその過程において、玄米がいかに総合的に優れた食物であるかということを確信するに至った。
次回をお楽しみに!