前回、ホメオパシーの希釈について書きました。希釈度が上がるほど、物質本来の波動が現れ、人体が反応します。しかし、希釈度をどんどん上げると、物理的な限界が現れてくるという内容でした。
それでは波動が現実に影響を与えることはあるのでしょうか? この議論の中心は変化してきました。1990年代前半にインドの聖者サティア・サイババが空中から物質を取り出していることが話題になり、日本でも有名になりました。サイババ自身が引き起こす物質化現象は、時計などの工業製品が飛び出してくるため、手品ではないかとの指摘もされました。私は、彼の写真を祀ったいくつかの場所で、写真から金粉や蜜が流れ出したという現象のほうが興味深かったです。
多くの人が思念の物質化について興味を持った時代でしたが、1995年の地下鉄サリン事件の影響で、日本ではまったく報道されなくなりました。日本でブームが沈静化しても、海外では波動の研究が進んでいました。私が波動測定器SE-5の考案者ドン・パリス博士に出会ったのは、2010年ごろです。バリ島在住のドン・パリス博士のリゾート「シャンバラ・リトリート」にお伺いし、さまざまな研究者との交流の話とともに、現代のラジオニクス装置の理論を伺いました。
ラジオニクス(放射工学)は波動を扱う技術のひとつです。日本ではラジオニクスについては、1980年代以降、まったく知られていないように思います。多少ご存じの方も大量にダイヤルがついた機器しか見たことがないのではないでしょうか。今でもそれがラジオニクス装置だとして講習会を開いている方々もおられるようです。しかし、現代のラジオニクス装置はすでにダイヤルはついていません(写真A)。
従来のラジオニクスの理論が進化した結果、この装置はなにを操作するものなのでしょうか? ドン・パリス博士はINTRINSIC DATA FIELDS (IDFs、固有データフィールド)だといいます。IDFsとは物質の特定の形やパターン、性質に関するエネルギーの場のことです。そのIDFsに装置は介入し、操作できるとしています。IDFsが介入するレベルのエネルギーは、エロプティクス、ラジエステシア、サイオニクス、バイオプラズマ、エーテル、Lフィールド、プラーナ、気、オーラ、オルゴン、と呼ばれてきたものだとします。
スピリチュアルな世界の把握の仕方では、私たちは宇宙のエネルギーフィールドにどっぷり浸されているといいます。そのフィールドは、ゼロ・ポイント・エネルギーやエーテルなどと呼ばれています。そのフィールドからいろいろな名前で呼ばれるエネルギーが取り出されていると考えます。偏在するエーテルから私たちは生きている限り、生体エネルギーを取り出しているという概念は、瞑想やヨガに非常に役立ちます。生体エネルギーは遠い宇宙からではなく、ここから取り出しているのです。もともとゼロ・ポイント・エネルギーも生体エネルギーも、現代の物質を測定する測定器で検知できるものではありません。
しかし、わずかに合理的といえない装置で「経験的に」操作できることがわかっています。次元の違う話だと認識し、無理に現代科学に適合させる必要はないと思います。まとめると、「波動」とは宇宙のエネルギーフィールドから取り出されたエネルギーであり、物質のさまざまな形やパターンに関与します。とくに生体についてはエネルギーの流れの調和が重要な影響を与えているという考え方が主流となりました。一足飛びに工業製品ができるという話ではないのです。
※シャンバラ・リトリート:https://baliseminars.com/