月のテンポってなに?
「プルルルル……プルルルル……」
父が突然あちらの世界へ旅立ってから2カ月後、代表取締役となった私が一番怖かったもの。それは電話。
会社にかかってくるのですから、月のテンポCDをご注文くださるお客さまからのお電話です。ご注文だけで会話が終わることもありますが、ほとんどの場合、「月のテンポってどういうテンポですか?」「どのCDがおススメですか?」「詳しくお伺いしたいことがあるのですが……」など何かを質問されます。この質問にどう答えるかがとても大切なことで、せっかくお電話をくださったのですから誠意を持って的確にお答えしたい。そして、しっかりご理解いただいてこそ販売に繋げられると考えていました。
でも……実際は……
前回お話ししたように、会社を継ぐまでは仕事の関係上、ほとんど家にいない状態だった私は「月のテンポを説明して」と言われても、納得のいく説明が出来なかったのです。そこで、私はまず月のテンポについて父のメモなどを頼りに調べ始めました。
音楽の力でお仕事をサポート
月のテンポで曲を作り始める前、父は「産業音楽」という分野の曲を作っていました。「産業音楽」とは、音楽の持つ効果を使って職場環境を良くしたり、作業効率を上げる目的で使われる音楽のことです。
例えば、あるおしぼり工場の場合。正方形のおしぼりがベルトコンベアーで流れてくる↓おしぼりを半分にたたむ↓また流すこの作業が行われていました。工場には、新人、中堅、ベテランと、色々な経験値の方がいますから作業のスピードもバラバラです。そこで、工場で一番のベテラン社員の動きをビデオに撮って解析し、その人のテンポを算出するのです。そして、そのテンポで曲を作り、工場に流します。
すると……皆さん、自然に音楽に合わせて動こうとするので新人も中堅も、少しずつベテランと同じ動きになっていきました。結果、作業効率が上がり売上UP。無駄な動きをしなくなるので働いている人も疲労感か少なくなったのです。
卓越した人たちが持つ共通のテンポ
このような事を、プロスポーツ界、カフェ、オフィスなど、様々な業界で行っていました。そんなある日、父はあることに気がつきます。どのような業界でも、「プロ」「達人」「ベテラン」と呼ばれる人には共通のテンポがあるということです。それは「テンポ116」。
「テンポ116」とは、1分間に116カウントするという意味です。ほとんど共通点がないと思われる業界であっても、その業界で成績を上げている人たちは、決まってこのテンポを使っていたのです。父は最初、ただの偶然だろうと考えていましたが、調べていくうちに有名プロ野球選手やプロゴルファーなどもこのテンポを自然に使っていることが分かり、いよいよ偶然ではないと詳しく研究を始めたのです。
達人のテンポは月のテンポ!?
様々な視点でこのテンポを研究していった結果、まずたどり着いたのが「太陽」の存在でした。父は占星術に関心があり、太陽と地球の関係や、月と地球との関係など、多少の知識がありました。今、私たちが使っている時間軸は「太陽暦」といって、太陽のテンポで生活をしているといえます。このことから、何か関係があるのではないかとある計算式に基づき、太陽のテンポを算出しました。
太陽の1日は24時間であることをもとに計算をすると……太陽のテンポは「テンポ120」であるという結果に。達人たちが使っている「テンポ116」に近い数字が出ましたが、でも違う。そこで、「月」はどうかと再度計算を試みたのです。
「月」の動きは太陽よりも少しゆっくりで、「月」の一日は24・8時間。これをもとに計算すると……
「月」のテンポは、なんと「テンポ116」であるということが分かりました。達人たちが自分の能力を最大限引き出そうとする時、無意識に使っているテンポ。このテンポは、「月のテンポ」と同じだったのです。
では、なぜ達人たちは無意識に「月のテンポ」を使うのか……
次回はこの秘密に迫ります!!!
片岡 由季
片岡 由季氏 武蔵野短期大学にて国際教養学科および秘書コースに在籍。 その後、玉川大学英米文学科に編入。 前職はNPO法人日本ケアフィットサービス協会にて「サービス介助士」の育成に携わり、全国の企業研修を担当。 2010年4月より父である片岡慎介氏の後を継ぎ有限会社ビュージックの代表取締役となる。 現在は、断食道場やサロンなどで「月のお話会」を行い、「なりたい自分」「輝く自分」になる為の月のテンポ活用法をお伝えしている。 |
ゼッテン・116 高周波をスピーカーから発信し、付属の可聴音CD(テンポ116の音楽)を流すことで潜在能力の活性化を図ります。 |