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中川信男の多事争論

「多事争論」とは……福沢諭吉の言葉。 多数に飲み込まれない少数意見の存在が、 自由に生きるための唯一の道であることを示す

プレマ株式会社 代表取締役
ジェラティエーレ

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

【Vol.71】遠くを見る

投稿日:

 もう6年ほど前のこと、運動音痴の私がフルマラソンをるきっかけがありました。結果は5時間ちょっとと、決して芳しい数字ではありませんでしたが、何でもやってみればできるものだと思ったものです。走ることに対する記憶と言えば、あれは中学生のとき、「耐久遠足」などという名前からして辛さを連想させる校内イベントで、10キロの高低差の激しい京都北山のルートをひたすら根性で走れと教えられ、言われたとおりひたすら我慢して耐えました。あれ以来、走ることに良い思い出はなにひとつなく、それが意外と楽しくて、辛いものではないとは考えることすらありませんでした。今になって思えば、この学校行事の名前をつけた先生は決して走ることなど心地よいものではなく、とにかく「耐久力と根性を養うためのものである」というご自身の解釈をお持ちだったのでしょう。もしかしたら、走ったことすらない人が命名したのかもしれません。

快を感じる
 そんな私は、たった2ヶ月ほどの準備でフルマラソンを完走するためには、走ることへの最悪の思い出を解消してくれるであろうコーチに教えてもらう必要があると判断して、ある先生にお願いすることにしました。その先生の口癖は、「走ることは楽しい」というもので、学校の先生とは全く違うことばかりいうのです。実際、先生は京都・加茂川の上流にあるご自宅から、かなり下流にある私たちの事務所近くの鴨川の河川敷まで走ってやってきます。先生は「こうやって川を走っていると心地よい風を感じられ、素敵な景色、そして柔らかい地面を感じていると、幸せな気持ちになりますね、さあ、やりましょう ! 」などといいながら、ストレッチから教えてくださいます。走り方の基礎から教えていただき、実際に先生と並んで走ると、不思議なことに全く辛くないので。5キロ、10キロ、15キロ…あの地獄のような耐久遠足は一体何だったのかと思うような体験です。正しいフォームで走ると、自分だけで走っているとすぐ痛くなる左足首も全く痛くなりません。走ることが気持ちいいなど、経験したことがない心境ですが、実際に快感を感じることが出来るようになるのですから、不思議なものです。

 ちょっと自信をつけて、こんどは一人で走ってみると、あれほど心地よかった経験が、なぜかまた辛くなります。心拍数も教えていただいた通りのゾーンを維持しているのにきつくなり、足首すらも痛くなってきます。先生からは不思議なオーラが出ているのか、また先生と一緒に走ると、またとても快適で、やっぱり走ると気持ちいいのです。何か大きな違いがあるのではないかと思い、聞いてみることにしました。「先生と走ると気持ちよくて、いくらでも走れそうな気分になるのですが、一人で走るとまたきついのです。先生は、走っているときに何を見て、何を聞き、何を感じていますか ?」先生の答えは明確でした。「出来るだけ、遠くをみて、ずーっと先から出ている見えない糸に引っ張られているようにイメージして、その糸に胸が引っ張られて体が勝手に前に少し倒れて、足がその前傾に自動的についていくように感じてみてください。全身の筋肉がその動きに調和して、今この瞬間の心地よさを感じるといいですよ。ああ、気持ちいいなぁという声を聞くのもいいですね。」こんなことを意識しながら数日後、20キロの自主トレをしてみたところ、雨が降っているにも関わらず遠くまで走りたくなり、結局25キロほどを一人で楽しく走ることが出来るようになりました。本番は炎天下のホノルルでしたので、途中は結構きつくて歩くこともありましたが、時間を気にしてはいませんで
したので、耐久遠足なるものとは全く違ういい経験ができたことを思い出します。

だからこそ、遠くを見る
 その後、私は頸椎の手術を受け、思うように体が動かないようになって今のところフルマラソンは再開していません。しかし、いろいろな機会でこのとき教えていただいた奥義を思い出しています。特に今年初めの物流センター移転と業務委託先変更後、まともな出荷が出来なくなって3週間近く、やむを得ない受注停止や、解決の糸口さえ見えない物流トラブルの連続で多くのお客様に失望を抱かせてしまいました。当然のこととして多くのお客様を失って業績は急降下、以降10人以上が会社を去りました。大口取引先の熱烈な推薦で決めた移転先でこのようなことになってしまうとは夢にも思いませんでしたが、これはマラソンに例えるなら、30キロの壁のようなものです。この8月には多大なコストになっていた京都オフィスも小さくすることに決め、順次移転を進めています。物流センターの再移転も含め慎重に検討をしている段階ですが、今は体重を落とし、もしくは成長する竹には節ができて屈強になるようなイメージで、内側を再度固めようとしているところです。私たちが見るべき遠くとは、子どもたちに残してゆきたい美しい調和した世界の一助となることであり、その遠くに到達できるよう、起きる痛みには気を取られることなく、前を向いて未来から引っ張られて勝手に進んでいけるよう、今に集中してまいります。ぜひ、沿道から大きなご声援をいただけますと嬉しいです !

- 中川信男の多事争論 - 2013年8月発刊 Vol.71

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