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ハツキ的“らくなちゅらる”な生き方

常務取締役
室長/管理部長兼

中川 葉月 (なかがわ はつき)

【Vol.15】ご近所さんの大切さ

投稿日:

05sa_01.jpg  先日のことです。お昼間に自宅にいると、インターフォンが鳴りました。モニターを見ると、そこには顔の前で拝むように手を合わせている女性の姿がありました。そして、「○号室の○○です。鍵と子どもを中に入れたまま入れなくなってしまって。ドアを開けてもらえますでしょうか」と、悲痛な声。

 私の住んでいるマンションは、よくある鍵で開けるタイプのオートロックです。管理人さんは午前中で帰ってしまうため、管理人室には誰もいません。鍵がないと何も出来なくなってしまうのです。

 私がエントランスに降りドアを開けて話を聞くと、ゴミ出し中に誤ってベビーカーと鍵をおいたままドアを閉めてしまったということでした。ポロポロと涙を流しながら赤ちゃんのもとへ走っていったお母さんは、どんなに不安だったでしょうか。そのお母さんとは、マンション内でお会いしたときにあいさつをする程度でしたが、同じくらいの子どもがいたので、私のことを覚えてらして、インターフォンで連絡をしてこられたようでした。このことは、私も今日にも起こすかもしれません。

 以前祇園の町家に住んでいた頃は、少なからずご近所づきあいがありました。地の者ではない私に、「手作りのちりめん山椒」を持ってきてくださったり、お祭りのお声がけをくださったりしていました。私の自転車が家の前に置かれていないと、心配して声をかけにきてくださったこともあります。

 独り暮らしをしていた当時は、それが時に煩わしいと感じることもありました。しかし、子どもをもち生活をしていると、そういった細かな目がないことを今回の件で、不安に感じるようになりました。

 物騒な事件が世間を駆けめぐっているこの時代、個としての存在だけでは、とても危険なものであると、今更ながらご近所の大切さが身にしみました。

- ハツキ的“らくなちゅらる”な生き方 - 2008年11月発刊 Vol.15

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