対談
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「口の中で響きあうような、特別な味を目指しあう仲間」と語る、二人の社長。
2013年3月、お互いにお互いの製品のファンであるお二人の社長が東京に来日されました。バイオダイナミック農法を実践するフランス最古の有機果樹園 コトー・ナンテ社社長オセル氏と、「世界で一番小さなスープ工場」(スモーレスト・スープ・ファクトリー)でオーガニックの美味しさを最大限引き出したスープ作りを実践するミシェル・ヤンセン氏。 同じレベルの情熱で商品作りに奮闘されるお二人に、ヨーロッパのオーガニック事情と、お互いの製品へのフアンぶりを語っていただきました。 |
オセル社長(以下オセル):ヨーロッパのオーガニック市場について、いくつか数字をあげていきたいと思います。
ヨーロッパ全体で、今では19万7000戸のオーガニック農園があります。広さでいえば、7億8000ヘクタール。大きいでしょう。
主要な国家は6つあります。ドイツ、スペイン、イタリア、私たちコトー・ナンテの農園もあるフランス、そしてイギリスにスペイン。スペインは今どんどんのびています。最後にオーストリア。ヨーロッパのオーガニック市場の先頭に立っているのはこのオーストリアですね。オーストリアは食品全体の、なんと14%がオーガニックです。
ミシェル・ヤンセン(以下ミシェル):オーストリアは、日本と同じ山がちな小さな国で、大規模農法には向きませんでした。少量の生産物でも利益をあげるために、行政がオーガニックへの切り替えをすすめ、小規模農園がどんどん変わっていったんですね。
(スモーレスト・スープ・ファクトリーのある)オランダでもオーガニックの機運は高まっていて、食品全体におけるオーガニック製品の割合が、全体の1%にも満たなかったのが、1・7%くらいにはなっていると思う。オーガニックとは何か、とこちらから説明する必要もなくなってきました。
でもフランスはマーケットが大きくてうらやましいです。オーガニック製品を扱う店もたくさんある。
オセル:それでもフランスでも、オーガニック製品は、まだ食品全体の3・5%です。でも2017年には7%にしようとがんばっています。
ヨーロッパ各国の全食品におけるオーガニック生産物の割合は、イタリアが8%、ドイツが7%、スペインが5・5パーセント。スカンジナビア諸国は実は10・5%で、オーガニック普及率が高いんですが、ほとんどが輸入です。
いずれにせよヨーロッパ全体で、オーガニックに切り替える農園が増えています。それに、ヨーロッパのオーガニック認証は、とてもうまく機能しています。検査する人たちが、月に1回畑にやってきて、果物をもぎ、葉をつんで、もってかえってテストする。東ヨーロッパ系の新興国についてはまだ問題は残ってますけど、全体としてみれば法律できちんと守られ、信頼できるものです。
ミシェル:認証はちゃんとしているけれど、スーパーマーケットが間に入ることで、適正価格が守られないという問題は、あちこちで起こってますね。味わってみればわかるんですが、よりよいオーガニック製品と、そこそこのオーガニック製品があります。コトー・ナンテのジュースと、スーパーで売っているそこそこのオーガニックジュースを比べてみたら、果物が放つ生命力が、まったく違うことがわかると思います。
オセル:いいものを作ろうと思うと、それなりの値段になります。でも、オーガニックのものが安く手に入りさえすればそれでいいと考える人も多いから、きちんといいものを作り続けるのは、実は大変なことなんです。ミシェルも私も、同じ問題を感じながらも、できるだけおいしいオーガニック製品を作ろうとしています。
今回の旅から帰国したら、私は「フレッシュトマトと香り高い野菜たちのハーモニー織りなすクリームスープ」を飲むと思います。本当に熟したトマトを使っていて、おいしくて好きですね。子どものころに食べた完熟トマトのスライスみたいだ。
ミシェル:僕たちは、オランダの展示会で初めて会いました。僕のスープを扱いたいって言ってくれたんだよね。
コトー・ナンテの製品の中で、僕は「スパークリング有機リンゴジュース」が一番好きです。とても正統的で、繊細にしゅわしゅわしていて、ものすごくおいしい、すぱらしい味がする。ほかにはないものだと思います。僕はお酒を飲まないから、新年にはいつも、息子と一緒に、コトー・ナンテの「スパークリング有機リンゴジュース」を飲んでいます。
オセル:とても上手に伝えてくれて、ありがとう。
スカンジナビア諸国やオランダやベルギーではランチにスープを飲む。フランスでもランチに飲むことはあるし、私は農作業が忙しいからミシェルのスープだけのランチにすることもあるけど、フランスではスープはディナーのための特別なものです。私たちは本当の味がするスープをいつも探してるんです。
ミシェルと私は、最高にすばらしいオーガニック製品を作るための、努力を惜しみません。ミシェルがスープで目指すものを、私はピューレやコンポートやフルーツそのもので目指しています。口の中で響き合うような、特別な味がするもの。そのために、彼は「世界で一番小さなスープ工場」で作り続け、私はとても古いやり方で、規模を大きくせず農園を営んでいる。ミシェルが時間をかけてじっくりスープを煮込むのと同じで、コトー・ナンテでは、皮をむかないフルーツを、とてもとてもとても時間をかけてピューレやコンポートにする。私たちは同じ魂をもった、仲間なんです。
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