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中川信男の多事争論

「多事争論」とは……福沢諭吉の言葉。 多数に飲み込まれない少数意見の存在が、 自由に生きるための唯一の道であることを示す

プレマ株式会社 代表取締役
ジェラティエーレ

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

【Vol.23】電気の檻に住む現代日本人

投稿日:

01ga_13_2.jpgもう6年ほど前から、私のライフワークのひとつとして『電磁波被曝のリスクと有害性を多くの日本人に正しく知らせる』ことに取り組んできました。そして先日、ついにその動きが一つの段階を超え、医学や建築、環境の専門家を理事に招いて一般社団法人となる『全国電磁波測定士協会』を設立することができました。私自身は理事長としてこの協会を運営することになりますが、ここには大きなビジョンがあります。

一つ、この協会でどうしても解決していかなければならないのは、電磁波の被曝によって健康被害が起こり得ることの証明を試みるという、大変難儀な課題です。私は医師でも医療関係者でもありませんが、弊社の20万人を超えるお客様のなかに、すでに電磁波によって健康を害されていたり、感応してしまったりして生活に困る方が急増していると実感しています。安全な商品を流通している会社ですから、当然化学物質に過敏なお客様は従前からたくさんいらっしゃるのですが、化学物質過敏の次のステージとして、または突発的に頭痛、動悸、不快感、不安感などを伴いながら、本来見えず、感じず、臭わないはずの電磁波を体で感じてしまうことで日々苦しむ方がどんどん増えています。しかし、このようなことを述べると、日本では必ず「疫学的、臨床的に有害性は証明されていない」という反論が待っています。この有害性が世論と現実の進展によって証明される頃には、花粉症のように国民病になってしまっていた、ということでは遅すぎるのではないでしょうか。

私たちの体は、神経、筋肉などはもちろん、細胞レベルにおいても微弱な電気や磁気によって動いています。その精妙な仕組みに無条件に外から、お構いなしの強力な電気、磁気が日々襲いかかってくるのです。人類の歴史において、これだけ大量の電磁波を受けたことはここ数年間の現象であり、長期の観察を経ている訳ではありませんから、なにがどうなるのかは本当のところはわかりません。しかし、欧米各国の医学論文や、政府指針、WHOからの情報などを見ている限り、非常にクロに近いと思って良さそうです。ひとくちに電磁波といっても、周波数によって全く起きる現象が異なりますから一筋縄ではいきませんが、誰もが避けて通れないのが、家の内部が電気で張り巡らされ電気檻のようになっている現代の住環境であり、そこから漏れ出す極低周波(電界)です。何も対策をしなければ寝ても覚めても電磁波に晒され続けることになり、OA機器を多用する現代の働き方では、電磁波の面はもちろんのこと、目を酷使すること、うつむき加減になりがちなこと、常にじっとしていることによっても、首や肩、背中の筋肉の過緊張状態が続くことなどにより、自律神経を乱す結果となって不定愁訴による終わりのないドクターショッピングを強いることになるのです。だから、在野の、一人の日本を愛する国民として、行政が重い腰をあげ、「科学的・医学的な証拠」を得て、動き出すか無視するかの動向を見守りつつ待っていることはできないのです。

本来、住まいは体と心を充分に休め、幸せを生み出す場所であるべきで、見えない電磁波や化学物質によって、心身を知らぬうちに疲労させる場所であってはらならない、というのが、私の大きなビジョンの中身です。

仕事をしていると、あまねくすべての人に愛されるということはない、ということは私も大人ですから承知しています。だからゆえに、同じ嫌われるのなら、未来にとって意味のあることで嫌われていたいと決意しています。

- 中川信男の多事争論 - 2009年7月発刊 Vol.23

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