先日、祖父の最後の例祭となる三十年祭が執り行われ、同時に祖母の米寿・叔父の還暦のお祝いがありました。夫は会社の引越が重なったために行くことができず、わたしは、息子二人を連れて行ってきました。
久しぶりに親戚に会えるのは楽しみだったのですが、なんといっても腕白盛りの男子二人連れ。祭事の前日、みんなで集まった時には、はしゃぎまわっていました。はじめは「まぁ元気ね」ということでよかったのですが、だんだんと騒がしくなってきます。そして今回の主役の一人である祖母は「明日の祭事は無事に執り行われるのかしら…。」という不安がいっぱいになっているのを、そばで感じました。半年前から入念に準備をしてきていますから、息子二人が騒いでしまっては元も子もありません。
そして当日。それ以前から息子二人には言い聞かせていましたが、改めて“今日のお祭りは、ひいおじいちゃまへのお祈り。ひいおばあちゃまが元気でありがとうございますと、神様へお伝えする”ということを、話しました。「わかってるって。」などと息子二人はいっていましたが、わたしは不安で仕方がありません。宮司様がいらして、お祭りがはじまりました。すると、長男は、正座をしてずっと頭をさげて祈りを捧げていました。次男もおとなしく座って手を合わせていました。途中、お手洗いに二人ともたってしまいましたが、約一時間のお祭りの間、騒がずに過ごすことができました。“絶対に騒ぎだすだろう”と思っていた祖母には、うれしい驚きだったようでした。夫が来ることができなかったので、「お父さんの代わりをしっかりと務められたね。ひいおじいちゃまもよろこんでいるよ。」と、大喜びでした。
わたしも、ほっと一安心でした。当日まで“大丈夫かしら”とやきもきしていましたが、息子は“お祈りをする”ということを理解できていたから、それにともなった行動をとれたのだと思います。“わたしの育て方がいいからよ”といいたいところなのですが、そうではなく、家の近くには、あちこちにお地蔵様や小さな神社、祠があるためだと思います。長男も次男も、そこを通るときには立ち止まってよく手をあわせています。お地蔵様、神様などに見守っていただきながら日々成長ができていることを、そこで感じ取っているのかもしれません。
お祭りの後、長男が「おかあさん、ぼくかみさまに“ありがとう”っておいのりしていたから、あせかいちゃったわ。」
といっていました。またひとつ、また子どもたちも大きくなったことを実感しました。
ハツキ的“らくなちゅらる”な生き方
常務取締役
室長/管理部長兼
【Vol.73】息子のお祈り
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