食べていい夏
妊婦の体重制限が緩和されて、初めての夏ですね! 2006年の「妊産婦のための食生活指針」では、「低体重(やせ)」の場合9~12kg、「ふつう」の場合7~12kgの体重増加でおさめることが指導されましたが、今年の3月に、「ふつう」のひとなら10~15 kg増に引き上げる方針になりました。従来より3kg増が認められたということです。
わたしは2006年の指針世代で、体重の管理に苦労していた人が多かったのはよく知っています。3kg幅が広がると、楽になる人はかなりいるんじゃないかな。とくに夏は大変そうでした。おなかに子どもがいることでただでさえ暑くて厳しい夏、夏バテせずに食を減らせって無理がありますよね。消化が追いつかない場合は食べるのを休んでいいと思いますが(今のわたしが妊婦なら、消化管を休めながらの栄養補給にマクロヘルスRのシリーズを重宝すると思います)、3kg増加の幅が広がったことで、選択肢が増えるはずです。産む体力を削がれないよう、よく噛んで食べていただければと思います。
初産の妊婦さんにひとこと申し添えると、体重指導に従いたい心理には、産後の体型のもどりが気になるから!という理由があるんじゃないかと思っています(わたしがそうでした)。やせすぎのモデルの不採用を宣言するブランドがあるように、テレビに出る人などの不自然なほど早い産後の体型のもどりも、あまり持て囃すのはどうかと思う時代ですよね。
産後、増えた脂肪は、授乳で効率よく減っていきます。スムーズな母乳育児ができるように、やわらかいおっぱいをめざしてください。ワイヤー入りの妊婦用ブラジャーで乳房をかためるより、妊娠中から授乳ブラに変えたほうがいいですよ。個人的にはクロスオープンタイプがお気に入りでした。
体重基準の無理
体重制限が緩和された理由のひとつに、2500kgに満たない低体重の赤ちゃんの割合が増えたことがあるようです。わたしのお産のころにも、欧米では、いきすぎた体重指導による成人病増加のリスクが、論文や書籍で出版されていました。おなかの中で控えめな栄養状態におかれた赤ちゃんは、栄養を吸収しやすく育つ。その子が栄養豊富な社会に生まれ出てくると、長じて成人病になりやすいという、単純化するとそのような図式です。最近ではインスリンとの関係で説明されることも多いと思います。
妊婦さんがダイエットしすぎてお子さんが低体重になることには問題があるように思いますが、わたしは自分の子どもたちが低体重だったので、逆に、平均体重の無理も感じています。わたし自身は、妊婦の体重増加を厳しく制限する理由になった、妊娠高血圧症候群の母から生まれた子どもです。その影響があるのかないのか、わたし自身の妊娠には「臨月になるとどれだけ食べても子どもの体重が増えなくなる」という癖がついて回りました。平均に沿わないのでいろんな面倒がありましたが、今はそこには触れません。
結局、個々の器の問題です。栄養が必要だと思ったら食べる、舌の欲求だけでなくからだで味わって食べる、自分とおなかの子の声をきける状態であってください。ちょっとしたウエイト管理なら、オーブスの記憶水。むくみにくくなるから、あともうちょっと……の体重問題で悩む人に、おすすめです。