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オルタナティブファーム宮古

自然の恵みいっぱいの宮古島から農業や商品開発するなかで感じたこと気づいたこと

オルタナティブ
ファーム宮古 代表

松本 克也 (まつもと かつや)

自動車メーカーなど14 年の研究職を離れ、2012 年5月に家族4人で宮古島に移住。約1万平米の畑で主に有機サトウキビを栽培し、黒糖蜜やキビ砂糖などの加工品を製造。
畑で黒糖作りが体験できるプログラムも準備中。その他、有機バナナの栽培、未完熟マンゴーの発酵飲料の製造に携わる。

宮古島でニセ札作り?

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あまり知られていない「バナナの意外な一面」をご紹介します。同じ芭蕉科の植物では、食用バナナの実のなる「実芭蕉」のほかに、「糸芭蕉」があります。外見は実芭蕉によく似ていて、地元の方も見間違えるほどですが、糸芭蕉の名前の通り、繊維がさまざまな用途に有効活用されています。世界共通の学名はMusa textilis(Musaはバナナに共通)で、「なんといっても、オレ繊維!」というニュアンスのネーミングです。海外では、一般にマニラ麻やアバカの名前で知られていますが、それも「よい繊維が取れるから」という理由で、植物分類的には間違ったまま、「麻」の名前が定着してしまったぐらいで、軽量で繊維強度や耐水性が高いために、船の係留用のロープなどにも使われてきています。

さて、この糸芭蕉の繊維ですが、実は日本の紙幣にも使われていることはご存じだったでしょうか? 日本の紙幣には、三椏と糸芭蕉が原料に使われています。みなさん、一度は「お札の洗濯」の経験があるはず。しわくちゃになっても堪え忍んでいて、アイロンを掛ければ、元型を取り戻しますよね。「あぁ~、やっちまった~!」とポケットを探ると、溶けて影も形もなくなっていた、なんてことにはならないのは、水に強いバナナのおかげです。

さて、話を沖縄に戻しましょう。1694年に、薩摩から和紙の製造技術が伝わったものの、沖縄の気候環境では和紙の原料になる、三椏、楮、雁皮といった植物はどれも育ちにくかった……。ということで、1717年に、琉球固有の和紙として芭蕉紙が生まれました。

そんな古を偲んで、オルタナティブファーム宮古では、今後、通常の体験メニューに加えて、紙漉き体験も始める予定です。そこにはもちろん、好きな金額を書いていただいて結構。今の目標は、〝逮捕〟される?ぐらいの上質な紙を生み出すことです(笑)。

”子ども銀行券”を手に、嬉しそうな松本(これは芭蕉紙ではありません)

黒糖はサトウキビを搾って、その搾汁液を炊き上げ、攪拌、冷却、成型して作ります。本製品は炊き上げの工程を90%完了させた黒糖蜜です。

おうちで黒糖チャレンジを見てみる>>

宮古島でニセ札作り?

- オルタナティブファーム宮古 - 2021年10月発刊 vol.169

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