令和4年1月15日、イハレアカラ・ヒューレン博士が他界したそうです。ホ・オポノポノ(ハワイのヒーリング法)を広めてくださったヒューレン博士に敬意を表して、今回はホ・オポノポノについてのお話です。
伝統的なホ・オポノポノは、問題を解決するため、指導者の元で関係者みんなが祈り、徹底的な話し合いをしたそうです。一連の話し合いのなかで、告白、懺悔、許しがおこなわれ、問題を解決に導きます。今回解説するのは、ハワイのヒーラーである故モーナ・ナラマク・シメオナ女史が、伝統的なホ・オポノポノを解釈し直し、すべての人が自分自身でヒーリングできるように作り上げたセルフ・アイデンティティー・スルー・ホ・オポノポノ(SITH)という方法です。ヒューレン博士は、そのSITHを更に簡潔にし、わかりやすく広めてくださいました。
唱えるだけで心の病が治る?
ヒューレン博士が広めた現代版ホ・オポノポノ(以下、単にホ・オポノポノと表記します)を初めて知ったのはもう15年くらい前になると思います。そのときに知った逸話です。
触法精神障害者(犯罪をおかした精神障害者)を収容している病棟にいる人全員を、一人も直接診察をせず、カルテを読んでホ・オポノポノをするだけで治してしまい、その病棟が閉鎖された!という話です。その話を知ったときには本当かな?と頭が疑問符でいっぱいになりました。スピリチュアルな話は大好物でしたが、眉唾な話も多かったので、このストーリーもかなり大げさに脚色されているだけでは?と思っていました。ただ、その方法が「ありがとうございます・ごめんなさい・ゆるしてください・愛しています」と4つの言葉をマントラのように繰り返し唱えるだけ、というものだったので、これはやってみないと損だと思い、しばらく4つの言葉を繰り返し唱えていました。
インナーチャイルドに向けた自分のためのホ・オポノポノ
でも、どうしても「ごめんなさい・ゆるしてください」と言うと、気持よくない感じ、ざわざわする感じになります。「ありがとうございます・愛しています」を唱えるだけでも効果はあるということだったので「ごめんなさい・ゆるしてください」を言わずにホ・オポノポノをやっていました。なぜホ・オポノポノでは「ごめんなさい・ゆるしてください」を言うのか、疑問でした。その後、インナーチャイルドを癒やすことの大切さに気づいたとき、ホ・オポノポノは、傷ついた子ども時代の心を癒やすための言葉なのだと理解できました。
だれの心にも、子どものころに傷ついた感情が心のなかに残っています。インナーチャイルドと呼ばれるものです。このインナーチャイルドに対して「いつも一緒にいてくれて『ありがとう』。いつも我慢させて『ごめんね』。今までその痛みに気づいてあげられなかったね『ゆるしてね』。これからもずっと一緒だよ『愛しているよ』」。こういう気持ちでホ・オポノポノをすると、すんなりと4つの言葉を唱えることができました。
幼いころの自分をイメージして、「今までよくがんばってきたね」「もうがんばらなくてもいいよ」「無理させてごめんね」「気づいてあげられなかったね、許してね」「いままでがんばってくれてありがとう」「大好きだよ、愛しているよ」と何度も声を掛けてあげましょう。これは、実は自分が両親から言ってもらいたかった言葉です。
傷ついたインナーチャイルドを癒やすことは、幼いころに受けた心の傷の解釈変更をすることになります。不快だと思っていた情報を、ニュートラルにすることになるのです。