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CHOICE するということ

体の中からきれいになる形成外科医が伝える医学部では教えない栄養学の話

鈴木形成外科院長/CHOICEオーナー&プロデューサー
日本形成外科学会認定専門医・日本レーザー医学会評議員
日本臨床皮膚外科学会理事・京都形成外科医会 会長
第1回ベジタリアンアワード企業賞受賞(CHOICE)

鈴木 晴恵 (すずき はるえ)

京都市出身。アジアにおいてレーザー治療をいち早く導入し、シミ、あざなどの数々の治療方法を確立。メディカルエステを考案、定義し、実践してきた。
仕上がりの美しい眼瞼下垂症手術に定評がある。3.11を機に「食」と真剣に向き合い、栄養学を突き詰めた結果、
最善の食事法はplant basedwhole foodsと気づく。クリニックに栄養外来を立ち上げる傍ら食のお手本を示すカフェ『CHOICE』開業。
大学生の娘の母親でもある。

子どものためのプラントベースホールフードの食生活(15)

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今号から子どもの食事における微量栄養素とサプリメントについて書きます。

マルチビタミン

子どもにマルチビタミンサプリメントを摂らせたほうがよいのかという質問をよく受けます。子どもは大人に比べて栄養不足になりやすい傾向にありますが、サプリメントを使用するかどうかは慎重な判断が必要です。栄養素はサプリメントではなく、P‌B‌W‌F(プラントベースホールフード:植物性の食材をなるべく精製加工することなく食べる食事法)の食事から摂るのが最善です。成人においても、マルチビタミンサプリメントを摂取することで、がんや心疾患、およびあらゆる疾患の予防に効果があるとは証明されていません。しかし、お子さんが偏食であったり、家族がプラントベースの食事に移行中であったりする場合は、サプリメントを使用してもよいかもしれません。マルチビタミンサプリメントは、子どもが急速に成長、発達する時期に、バランスを考えた栄養を効率的に摂取する方法として有効です。

子ども用のヴィーガンのマルチビタミンミネラルサプリメントが販売されており、ビタミンB‌12とビタミンD、およびカルシウムと亜鉛などと一緒に与えることができます。ヴィーガンサプリメントを選ぶなら、ラベルに「vegan」、または「植物由来」などと明記されているかを確認してください。stearate(ステアリン酸塩)、lanolin(ラノリン)、ゼラチンの表記があるものは動物由来です。

カルシウム

プラントベースの食事は、カルシウムを摂取するための最高の手段です。豆類と葉野菜はカルシウムが豊富に含まれるうえ、乳製品と違い数え切れないほどのビタミンやミネラル、ファイトケミカルを一緒に摂ることができます。これらの栄養素は健康に有益で、カルシウムの吸収と利用を向上させることに役立ちます。

カルシウムは土壌に含まれるミネラルです。土で育つ植物が私たちにとって最良のカルシウム源であるのはそのためです。乳牛はカルシウムを含む草を食べるので牛乳にカルシウムが含まれるのです。牛乳からカルシウムを摂るのを止めて植物を食べましょう。そうすれば余分なコレステロールを一緒に摂ることが避けられます。産まれてから12ヶ月までは、母乳が最高のカルシウム源です。1歳を過ぎたら、カルシウム添加のオーガニック豆乳を与えることを検討してみてください。そのほか、子どもが好むカルシウムが多い食品には、豆腐やアーモンドバター、タヒニ(擦った胡麻)、白インゲン豆などがあります。豆腐1カップだけで、就学前の子どもが1日に必要なカルシウム量を摂ることができます。

次の表は、プラントリシャン・プロジェクトで推奨している1日に必要なカルシウムの量です。しかし、多くの専門家がこの数字は高すぎると言っています。

生涯の骨量の90%以上は、20歳までに形成されます。幼少期に強い骨をつくることは、生涯にわたって健康な骨を保つことにつながります。興味深いことに、カルシウムの摂取量と骨の強さに関連を示す研究は今のところありません。牛乳を摂取しても骨の健康にはまったくメリットはありません。牛乳をよく飲む人たちの骨の状態が悪いことがこのことを証明しています。

強く健康な骨をつくるために、カルシウムの摂取以外にできることについては、次号以降に書きます。

- CHOICE するということ - 2024年12月発刊 vol.207

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