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インタビュー取材しました。

誠実な作り手と共にオーガニックのその先へ 株式会社おもちゃ箱 代表取締役 齋藤 暁彦 氏 インタビュー

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シュタイナー教育の教具を輸入することからスタートした、株式会社おもちゃ箱。子どもたちに「本物」の手ざわりやおいしさを届けるため、厳しい認定基準をクリアしたおもちゃや食品を販売しています。二代目として、オーガニック製品の普及に取り組む齋藤社長に、事業への想いや今後について伺いました。

「オーガニックが特別なものではなく、毎日当たり前に生活に根付くように、工夫をし続けていきたい」と話す齋藤氏

株式会社おもちゃ箱 代表取締役
齋藤 暁彦(さいとう あきひこ)

1980年東京都生まれ。父親がシュタイナー幼稚園の園長および株式会社おもちゃ箱の代表を務める家庭で育つ。株式会社伊藤園を経て2005年に株式会社おもちゃ箱へ入社。法人営業や商品開発を担当したのち、2012年に同社代表取締役社長に就任。世界中から厳選した「真実にかなった物」の提供を通して、子どもたちが健やかに育つ環境づくりに日々邁進している。2児の父。
▶︎株式会社おもちゃ箱 https://www.omochabako.co.jp/

父の背中を見て
シュタイナーの世界へ

——先代のお父様が、当時園長を務めていた幼稚園にシュタイナー教育を取り入れたことが、創業のきっかけになったそうですね。

もともとは、高校教師をしていた私の祖母が「教育をするなら、もっと早い年齢から」との想いで、1952年に幼稚園を創設したのが始まりです。父が園長を継いだあと、幼児教育を学ぶなかで、1970年代にヨーロッパでシュタイナー教育と出会ったんです。「これからの社会には、人の感性や感覚を大切にする教育が必要だ」と強く感じ、自分の幼稚園でも少しずつ取り入れるようになりました。最初は父が、園で使うシュタイナー教育のための楽器や画材などを海外から買い付けてきていたのですが、「うちの園でも使いたい」「販売してほしい」という声が増えていきました。そうしたご要望に応えるかたちで、会社を設立したということです。

——ご自身もシュタイナー教育を受けられたのですか?

いえ、私が通った幼稚園や学校はシュタイナー教育ではなかったです。ただ、私が小学校低学年のころには父がシュトックマー社のクレヨンなどを輸入していたので、家庭では自然とそうしたものにも触れて育ちました。両親はおそらくシュタイナーの思想をベースに子育てしていたのだと思います。

シュタイナー教育には「人は7年周期で成長の節目を迎える」という考えがあり、幼少期は頭を使う学習よりも、身体や心を育むことを大切にしています。そのため、私も毎年夏休みには家族でキャンプに出かけたり、自然のなかで体を使って遊ぶ体験をたくさんしてきました。小学校低学年のころに本を読んでいたら、祖母に「まだ本なんか読まないでいいのよ」と言われたことを覚えてます。一般的な教育とは少し違いましたが、とにかく伸び伸びと育てられたなと思います。

父は、大人になってから振り返ってみても、会社の経営者というより教育者とか思想者という存在でした。

——大学卒業後に伊藤園に就職されたのは、どんな思いからですか?

起業をめざしていたので、まずは社会人経験を積むつもりで伊藤園に入社しました。しかし、社会に出てみると、経営者である父の存在の大きさにあらためて気づき、父のそばで学ぶのが最も早いと気づいたんです。2年で退職し、1年間イギリスのシュタイナー専門学校に留学してからおもちゃ箱に入社しました。

——入社後はどうでしたか?

営業職でした。当時は日本でも徐々にシュタイナー教育が知られるようになり、全国の木のおもちゃ屋さんに向けて、自然素材のおもちゃなどを紹介していたんです。東京ではクレヨンハウスさんが先駆的な存在でした。一方、オーガニックの製品に関しては、まだ「オーガニック」という言葉すら浸透していない時代で、これから育っていく業界だという手応えがありました。ちょうどそのころ、代官山にオーガニックコスメの先駆けとして、コスメキッチンさんがオープンし、同じ分野の方たちとは「一緒に成長していこう」という空気もあって。たくさん刺激も受けましたし、忙しい毎日でしたが、描いたビジョンが一つひとつ形になっていくのが楽しくて、夢中で走ってきました。でも、気づいたらもういい歳になっていたという感じですね(笑)

ビジネスを超えて
誠実な作り手とつながる

——御社の理念のひとつに「真実にかなった物の提供」があります。基準にかなうオーガニック製品との出会いや、取り扱いに至る決め手はどこにあるのでしょうか?

たとえば2008年から販売しているオーガニック洗浄剤「ソネット」は、シュタイナー教育に関わる海外の仲間が集まる場で、「あなたたちの価値観に近い会社があるよ」と紹介してもらいました。その翌月にドイツのニュルンベルクで開かれるビオファで直接話を聞きに行き、取引につながりました。チョコレートのゲパ社も知人からの紹介でした。実際に、頻繁にヨーロッパを訪れて市場調査もおこないますが、最終的には、現地の人に深く信頼されているということが、ひとつの答えになります。

そして取引を決めるまでには、必ず現地を訪問します。製品の品質の高さや理念はもちろんですが、作り手の佇まいや職場の空気など、言葉を超えた価値観が私たちと共鳴するかどうか。そこを丁寧に確かめるプロセスを一番大切にしているんです。

オーガニック市場はアメリカも大きいですが、どうしてもビジネス優先になりがちなので、スタンスの違いがあるように思います。私たちは、お互いの思想の質が保たれる相手とつながりたいので、基本的にはヨーロッパの生産者さんを中心につながってきました。

——現地ではなにを感じますか?

そうですね、現地では働いている人たちの商品に対する想いや、気持ちのあたたかさなどを肌で感じます。たとえばオーガニックスキンケア用品のマルティナ社では、代表のマルティナさんがドイツの深い森のなかの小屋で、植物エキスを自ら抽出していました。スパゲリックという錬金術的な製法を用いるのですが、その姿が、とても神聖なもののように感じたんですよね。日本にいたら想像できないようなものづくりの姿勢、それはホームページや文字ベースの情報ではわからない部分です。

私たちがドイツのデメター認証を大切な指標としているのも、その精神性に魅力を感じているからです。原料に対する基準だけでなく、加工や包装、流通などの生産ラインにまで細かく決まりがあり、植物本来の力を引き出すために、種まきや収穫のタイミングを天体のリズムに合わせている。そういった、目に見えない部分にまで責任を持って製品をつくる姿勢は、私たちのオーガニック観に最も近いように思います。ただし日本では、目に見えない部分を説明しようとすると、どうしても「スピリチュアル」な印象を与えてしまいますから、バランス感覚を大事にしてお伝えしています。

——そういった精神性への受け止め方は、ドイツと日本で違いを感じますか?

あくまでも私の印象ですが、ドイツ人は買いものをするときに、製品について自分でよく勉強して、納得して選んでいるようです。オーガニックの取り入れ方も無理をしたり比べたりせず、「これはオーガニック、これはそうじゃなくていい」と、自分の感覚を基準にしている。なにが正しいかといった価値観を押し付けないし、あくまでも自然体です。

あと、日本のオーガニック市場の規模がドイツにまったく及ばないのは価格の問題が大きいと思いますね。

——オーガニック製品で得られる気持ちや体感の面での「違い」について、どう捉えていらっしゃいますか?

それって、みなさんが持っている疑問なのかなと思います。オーガニックだとどんな効果があるの?と。そのプラスの部分を実感してほしいと思って取り扱いを始めたのが、オーガニック生理用品の「ナトラケア」です。ナトラケアは、イギリスで30年以上続く、世界初のオーガニック生理用品で、農薬フリー、製造時の塩素フリー、高分子吸収剤フリー、プラスチックフリー、香料フリー、添加物フリーと、徹底的に人体や環境への負荷を抑えています。私は男なので体感はできませんが、使い続けていると生理痛が軽くなるというような、実際の効果が聞かれます。当社として初めて医薬部外品を取得するのはかなり大変でしたが、その価値があったと思っています。ただ、やはり効果は個人差があるので、難しいですよね。


シュタイナー建築を採用している本社の社屋

時代の変化に合わせて
「本物」を伝え続ける

——商品に対して、お客様からどんな声がありますか?

最近では、お子さま用にご購入いただいた木のおもちゃの手ざわりや、暮らしまわりのものをオーガニックで揃えられることへの安心感など、おかげさまで嬉しい声をたくさんいただいています。なかでも印象的だったのは、ソネットをお使いのお客様から、「孫のためにと使い始めたら、使ううちに近所を流れる排水のにおいがなくなり、水が綺麗になった」というものです。自分や家族のために選んだものが、巡り巡って地域の自然環境にもよい影響をもたらす。その心地よさを感じていただけたのだと思います。

——齋藤社長ご自身が、生活や子育てで心がけていることはありますか?

自分が育つ過程で両親に言われてきた「ヒント」になることは、子どもたちにもしてあげたいなと思っています。自然のなかで遊ぶとか、釣った魚をさばいて食べるとか、体も心も動くような経験。実際、自然のなかで遊べる環境があるなら、木のおもちゃもいらないのかな、なんて個人的には思います。しかし、都会で暮らす方には難しい場合もあるので、それぞれの環境に合わせた、ちょうどいい形があるといいですね。

あとは、子どもがまだ小さいので、食事はできるかぎりオーガニックにしているのと、水は千葉県まで湧水を汲みに行っています。やはり、健康な体をつくるうえで、食べるものと水の質が大事だと思うんです。どんな教育、どんな経験をするにしても、体が基本。子どもの健康のためにできることは最大限にしてあげたいなと思っています。

——今後自然な暮らしに寄り添う商品をさらに広めていくために、取り組んでいきたいことはありますか?

今、日本のオーガニック業界は大きな転換期にあります。特にコロナ禍が過ぎてからは、急速に時代が変化している。輸入品は為替の影響も大きいので、物を輸入して売るだけでは難しい状況です。そのため、今後は、その時々の経済状況に合った、今よりも手に取りやすい価格の実現にも力を入れたいです。もうひとつは、自社ブランド品を育てていくこと。2019年に立ち上げた「24 ORGANIC DAYS」というシリーズでは、第一弾としてコーヒーやマヌカハニーなどを開発したのですが、コロナ禍でいったん宙に浮いてしまっていたんです。そこで、あらためてコンセプトやラインナップを練り直し、主に国産のオーガニック製品を開発して広めていこうと考えています。将来的には、原料づくりも含めて、ゼロから自分たちでつくっていきたいんです。そして、日本の生産者さんたちと一緒に、日本の優れたものを海外に発信していくつもりです。当社の強みに、いろんな海外メーカーさんとのつながりがあるので、買うばかりでなく、今度は売ってもらおうと(笑)

さらにその先には、「オーガニックビレッジ」のような、郊外型で人が集まり、体験し、ウェルネスに関するいろんな知恵を分かち合えるような場をつくりたい。これから日本の若年層が減っていくなかで、オーガニックの価値を根付かせていくには、たんに「買う・売る」を超えて、文化として根付いていくのが理想です。オーガニックに興味がある方もない方も、そこで製品に触れたり、イベントを通していろいろなことを体験していただくことで、少しでもオーガニックを身近に感じていただける機会を増やしていきたいですね。

——苦しい状況ながらも、楽しみでもありますよね。

そうですね。やっぱり新しいことに挑戦することは楽しいです。簡単なことばかりではありませんが、未来は今日の小さな積み重ねでできていくものなので、常に希望や夢のあるほうに動いていきたいと思っています。

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誠実な作り手と共にオーガニックのその先へ 株式会社おもちゃ箱 代表取締役 齋藤 暁彦 氏 インタビュー

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