この4月から新入社員としてプレマに入社しました、何の技術も経験もない新参者です。去年までは、オーストラリアのシドニーに2年、メルボルンに3年住んでいました。

大学では食科学を専攻しましたが、実は、絵を描くことや工作が大好きで、バリバリの文系人間です。そんな不思議な選択をすることになったのは、オーストラリアに渡って最初に働いたジェラテリアがきっかけでした。もう約5年前のことですが、あの場所があったから今ここに立てているのだと思います。

良い思い出はあまりなく、英語もあまり話せない状態のくせにボスと言い合い(生意気な子どもです)、尋常でないお客さんの数に焦り、英語も聞き取れず。半泣きになりながら接客をした経験は数えきれません。それでも、不思議と慣れてくるものですね。余裕が出てきたときに気になったのが、お客さんからの原材料に関する質問の多さでした。決して良い素材を売りにしていたお店ではありません。上品とはいえないフレーバーを売っているジェラート店です。それまで栄養のことなんて考えたこともありませんでしたが、そこから「食」に興味を持ち始め、「栄養を勉強したら楽しそう」と漠然と思ったのです。

それまで、ほぼ右脳で生きてきた人間なので、大学には入学を散々に断られ、あきらめかけていたときに1つの大学に拾っていただきました。ジェラテリアは早々に辞め、都市を移動し、色々なバイトを転々としながら大好きな仕事仲間にもめぐまれました。勉強は大変でしたが、それ以上に、やっと入れた大学で勉強をしていることが楽しくて仕方がなかったです。多くの人に助けられながら、無事卒業。常識を押しつけられることがなく、のんびりとした風土に息苦しさを感じなかったオーストラリア。少し後ろ髪を引かれながらも、さよならしました。

何にもならないだろうけど、一応履歴書に、と書いていたジェラテリアのこと。面接で突っ込まれた時には、思い出カムバック!と必死で脳に訴えかけました。またスパチュラを握ることになろうとは。さまざまなご縁に助けられながらここに辿り着いたと思うと、日々感謝の気持ちでいっぱいです。

私の祖母はよく「笑顔でいなさい」「贔屓をされる人間になりなさい」と言います。これから先、何が待っているのかはわかりませんが、どんな場所にいても笑顔を大切に、ご縁を大切に生きたいと思います。社会人歴0歳の未熟者ですが、これからよろしくお願いいたします。