「美和ちゃーん、爆発してますか⁉」
私のもとに届いたメールの出だし。その一文を読んだ瞬間、思わず笑みがこぼれました。送り主は、小柄でチャーミングなNさん。4人の子育てをしながら、ご夫婦でセミナーを開催するパワフルな女性です。
Nさんとの出会いは、15年前。私の師匠エドウィン・コパードの合宿セミナーの参加者でした。久しく会っていなかったのですが、2ヶ月前、なんと中学生になったお嬢さんを連れ立ち、私のワークショップに参加してくれたのです。帰り際、Nさんは興奮気味に話してくれました。
「娘がね、美和ちゃんのことをパワフルだね!って言ってたよ。美和ちゃんはこの仕事をしているとき、輝いているよね! もっと爆発しちゃってね。私も爆発するわ」と。それからというもの、Nさんとの挨拶は「爆発してますか~⁉」になったのです。
この『爆発』とは、エネルギー全開という意味です。自分の内側から湧き上がり、ほとばしるイキイキしたエネルギーを抑えない、どんどん解き放つということ。蛇口をひねると水があふれ出すように、生命エネルギーも開くとどんどん湧いてきます。
しかし、蛇口が閉まっていることに気づかないと、蛇口が開いていないので、エネルギーは出てきません。この状態を私は、「ナイナイ病」と名付けていて、「元気がない・やる気がない・やりたいことがない」などの欠乏感が強くなり、くすぶりがちです。
私たちは、大小さまざまな「しばり」を抱えています。そのせいでエネルギーの蛇口は固く閉まり、思いきり動けなくなるのです。しかし、『ゆるし』の存在、つまり、ありのままの自分を受け容れている人に出会うと、握りしめていた手がふっとほどけます。「これでいいのかも」「やってみても、いいのかも」と感じた瞬間、しばりは解き放たれるのです。
しばりが緩み、蛇口が開けば、生命エネルギーは一気にあふれ出します。あとは抑えずに、ただ出てくるままを許すだけ。すると蛇口はさらに開き、ダイナミックに流れ出すのです。これこそが自然な「自己表現のプロセス」だと、私は考えています。
その流れに乗りながら生きていると、自然に最適な道や出会いへといざなわれていきます。私にとっては、これが「引き寄せの法則」の本質です。無理に「手放そう」としなくてもいい。むしろ、手放そうとしないほうがうまくいくのです。
それこそが、前述のNさんが15年前のエドウィンのセミナーで体験したことでした。根強い男尊女卑の残る田舎に生まれ、つねにお兄さんと比較されたことで、小学生のころにはすでに、人の顔色ばかり伺って常にイライラ。自分をだれよりも嫌い、認められず、ただがんばりつづけた結果、病気のデパートといわれるほどの不調に苦しみ、「子どもを授かるのは難しい」と言われたのだと。
ところが、エドウィンのセミナーに参加した翌年、お子さんを授かります。念願の宝物。それが私のワークショップに参加してくれた中学生のお嬢さんです。Nさんはこう話してくれました。「エドウィンがとても自由で、すべてを受け容れていたからこそ、自分のしばりに気づけたの。『ありのままの自分で生きていい』と初めて許可を出せたのよ」と。
エドウィンという圧倒的な「ゆるしの存在」に触れたとき、Nさんの蛇口の栓は開いたのです。その後、さらに3人の男の子を出産し、いまもエネルギー全開で、爆発しながら生きています。「美和ちゃんはエドウィンと同じことをしているよ!」満面の笑顔で私の背中を押してくれました。
この連載も今回が最終回です。誌上からリアルへと舞台を変えて、さらに爆発していきます。5年半、本当にありがとうございました。これからも、みんなで爆発していきましょう!