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オディの農業日記

羽鹿 秀仁 (はじかひでひと)

サラリーマン、経営コンサルタント、青年海外協力隊の隊員として中米のニカラグア、パナマで5年間活動後、ネットワーク『地球村』というNPO団体のスタッフとしてアフガニスタン支援に3年関わり、2006年から三重県名張市赤目で農薬を使わない農業を始める。

【Vol.40】オディの農業日記 第33回

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【絶望が希望に変わるとき】

 皆さん、こんにちは。

 今月号でらくなちゅらる通信の形態が変わるということで一応今回がオディの農業日記の最終回ということになります。長い間お読みいただいてありがとうございました。

 私が農業を始めたのが2006年。今年で5年が経ちましたが、その間、農作物の価格低下、異常気象、獣害等々、農業を取り巻く環境はどんどん厳しくなっています。

 特に今年は夏の暑さでお米の収穫量が減り、品質は白濁化現象で低下し、米価も大きく下がりました。私が農業をしている地域でも多くの米作農家は赤字となり、「先行きが見えない上に、獣害もひどいので、農業を辞めようと思っている」という声があちらこちらで聞かれます。

 将来的にも日本政府が進めている自由貿易圏構想が実現し、お米の輸入の自由化がなされると私が住む三重県ではお米の生産量は98%の激減(2%しか残らない)という試算が出ているそうです。その対策として政府が打ち出している農家の個別所得保障も大型機械や化学肥料・農薬を使った大規模農家のみが対象で、所得保障も生産原価を下回った場合の保障となるので、農業収入は激減します。そうなると農業人口の減少・高齢化は一段と進むと思います。

 このように日本の農業を取り巻く状況は絶望的ともいえます。でもだからこそ私は希望を感じています。

 もし、自由貿易圏構想が実現し、海外から安い農作物が流入して日本の農業が崩壊という事態になると、食糧の自給率は激減、農地が荒地になり、中山間地の集落は崩壊、失業率の急上昇等の大きな社会問題が発生するでしょう。でもそうなって初めて、日本の農業の行く末を本気で考える人たちが出てくると思います。これまでは政府、農民、消費者、流通業者などすべての利害関係者が自分の利益や権利を主張するあまり、全体として整合性の取れなかった日本の農業のあり方をゼロから作り直せるチャンスになると思います。

 丁度、幕末に古い社会が崩れ、一気に新しい社会に変わったように、終戦後、灰燼の中から奇跡の復興を成し遂げたように……
日本人にはそんな底力があります。そしてその力を発揮することこそ、生物としての人間の生きる活力になるはずです。

 古武術を通じて身体の使い方を研究されている甲野善紀さんは、安心・安全を追求しすぎた結果、人間(特に日本人)は本来持っている能力や生きる活力を失ってきているといっています。逆にいえば、厳しい時代こそ、自分の能力・活力を思いっきり発揮できるのかもしれません。

  これから農業はもっと厳しい時代を迎えるかもしれませんが、私はもっともっと自分の中に潜んでいる能力を掘り起こして、楽しみながらお米作りに励んでいきたいと思っています。

 またお目にかかれる日を楽しみにしています。

※今年、プレマさんでオディ米を扱っていただけるようになりました。ほとんど機械を使わず、たくさんの人に手伝っていただいて大切に作ったお米です。もちろん、有機肥料のみを使い、農薬や除草剤は一切使っていません。稲刈り後は、はざにかけてじっくりと天日で乾燥させた昔ながらのやり方で作ったお米です。たくさんの方から本当に美味しいと高い評価をいただいております。是非お試しください。

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- オディの農業日記 - 2010年12月発刊 Vol.40

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