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鍼療室からの伝言

鍼灸師の西下先生による陰陽や自然食。二十四節気など古来の智恵のお話

圭鍼灸院 院長 鍼灸師
マクロビオティック・カウンセラー

西下 圭一 (にしした けいいち)

新生児から高齢者まで、整形外科から内科まで。年齢や症状を問わないオールラウンドな治療スタイルは「駆け込み寺」と称され医療関係者やセラピストも多数来院。自身も生涯現役を目指すアスリートで動作解析・運動指導に定評がありプロ選手やトップアスリートに支持されている。

前向きに諦める

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自分は自分

いまを生きること。当たり前のようですが、これがなかなか難しいものです。季節柄、冷えについての相談が増えてきます。日々の生活状況、特に食生活について尋ねると、甘いものが好きな人が多い。治療者に頼る前に自分でできることとして、甘いものを控えましょうと伝えると、「それは難しいかも」と返ってくる。合わせて寒い季節は根菜類の味噌汁をしっかりと摂りましょうと言えば、「塩分は高血圧が心配」と返ってくる。現在抱えている「冷え」という症状を疎かにして、まだなってもいない高血圧症の心配をする。これは意識が現在にはなく未来への不安にあるということ。いまを生きているとは言い難いのです。

塩分と高血圧の関係のみならず、一般的に常識として知られていることに疑問を持ってみることも、必要なこと。仮に、多くの人に該当するものであったとしても、それが必ずしも自分にも当てはまるとは言い切れない。ましてや塩分と高血圧については、もはや因果関係が崩れてきていることを考えれば、常識を疑ってみることも大切です。

人は外からの評価には弱いものです。これが自分に関わることで、なんとなく「違うんじゃないか」と違和感を持つようなことでも、周囲から評価されていれば自分の感覚のほうが間違っているかもしれないと自分の側を修正してしまうとか。自分に自信が持てないというのが大きな悩みと言ってもいいでしょう。

禅の教えに「他不是吾(たこれわれにあらず)」といって「他人は自分ではない、ひとがやったのでは自分ごとではない」という意味の言葉があります。自分のことは自分がするということだけでなく、自分を変えることができるのもまた自分自身しかいないということです。人の評価を気にせず、自分の思うように一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

手放す前に

断捨離がブームのようになったことで、ものごとを整理していく人が増えました。とても良いことですが、一方で「思い切って衣服を処分した」という他人の行動を見て、できない自分に苦しむ人もいると聞きます。断捨離が強迫観念のようになってしまっているんですね。

そもそも、ものがあるから捨てる・手放すことができるのであって、現状に「不足感」を持ったままでは手放すものも存在しないということ。他人を見て辛い思いをするくらいなら、まず、自分にあるものに目を向けてみることが大切です。何もないと思っていたけれど、意外に満たされているかもと感じてみる。「足るを知る」から始めてみるのです。

次に、自分は自由なのだと知ることです。周囲に左右されない自己を確立する。その第一歩は小さなものでいい。例えば、横断歩道の信号が点滅したら、つい走り出してはいないでしょうか。それは信号に対する「反応」です。自分の歩行スピードすら信号に左右されてしまうというのはとても不自由なこと。だから、信号が点滅しても走らない。電車が出発しそうになっていても駆け込まない。ゆっくりとした自分のペースを崩さずにいてみるのです。そのためにほんの1分だけ家を早く出るようにする。そうした小さな行動の積み重ねが、自由な自分をつくっていきます。

最初に手放すべきは、自分も何かを整理しなければならないという思い込みや感情なのかもしれません。

しょうがない

それでも、どうしようもないことも起こります。そんなときは「しょうがない」と諦める。「しょうがない」ばかり言っていると後ろ向きに思われるかもしれないけれど、ときには割り切ってみることで深刻に悩みすぎることから解放されます。「しょうがない」と言って流してしまえば溜まるものもなくなります。「しょうがない」と諦めるのは、良い意味で執着しないことといえます。執着することは「滞り」を生み出して、心も体も流れを止めてしまうのです。

前向きな諦めも、ときには必要なのかもしれませんね。

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圭鍼灸院 院長 鍼灸師
マクロビオティック・カウンセラー
西下 圭一(にしした けいいち)

新生児から高齢者まで、整形外科から内科まで。
年齢や症状を問わないオールラウンドな治療スタイルは「駆け込み寺」と称され医療関係者やセラピストも多数来院。
自身も生涯現役を目指すアスリートで動作解析・運動指導に定評がありプロ選手やトップアスリートに支持されている。
兵庫県明石市大久保町福田2-1-18サングリーン大久保1F
HP:
http://kei-shinkyu.com

- 鍼療室からの伝言 - 2017年1月発刊 Vol.112

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