3月に入り、暖かい風が頬を包んでくれるようになりましたが、まだまだサンラメラが大活躍の時期ですね。
そんな、少し肌寒い日が続いたある日、夫が「なんだか懐かしかったから」と、“はったい粉”を買ってきました。夫も小さな頃食べていたようですが、私も子どもの時にはよく食べていました。冬の寒い日に、母が「はったい粉でも食べる?」と、作ってくれていたのがとても懐かしく思い出されます。お湯を入れてちょっと甘みを足すと、本当に体もあたたまるおやつになりますし、潰したかぼちゃと合わせて、きんちゃくにして食べてもおいしいです。
思い返してみれば、子どもの時にはあまりスナック菓子などの袋菓子は食べていませんでした。母がパンを焼いたりアイスクリームを作ったり、ケーキを焼いたり、「ポテトチップスが食べたい」といったら、ジャガイモやサツマイモを揚げて作ってくれていました。ある程度大きくなるまでは、母の手作りのおやつを食べていたように思います。今思えば、決して手の込んだものではありませんでしたが、お食事もおやつも母の手作りで過ごすことができたというのは、本当にありがたくて価値のあることだと感謝をしています。
今、コンビニやスーパーで大量のおかしがあふれかえっています。そんな中“はったい粉”は、とても地味で味気ないものに感じられるかもしれません。それでも、最近「いただきます」が出来るようになった息子には、機械が袋詰めをしたものではなくて、人の手が作ったものを食べるために、毎食手を合わせる機会を多く作ってやりたいと思います。そして、息子が大人になり次の世代に食を伝えてゆくときに、私の手料理が一つでも心に留まっていれば、幸せだなぁと思うのです。